僕には理想郷があった
顔はもう覚えてない
誰かが僕の手を引いて
明るいところまで連れていってくれる
連れていってくれた先はきっと誰だって
誰だってたどり着けないとても、とても綺麗な場所で
自然と身体は綻びて
きっと僕は灰になって死ねるんだろうな
苦痛なく、ただ
崩れていくその感覚だけがただ愛おしく感じる
きっと、幸せなんだろう
それが、僕の幸せなんだろう
時たま感じる鋭い眼差し
その持ち主は誰だってわかってる
私の事が憎くてたまらないんだろう。
「好きな人を取られた。」
そんな言葉が出たのは貴方の口からじゃなかったね。
貴方の周りにいる取り巻きからだった。
別に取り巻きでもないか。 友達?って感じだよね。
いいと思う。そんな感じでふわふわ生きてられるの羨ましい。
だからこそだよね。
貴方が欲しいの。
貴方の全部が欲しいの。
好きな人も、友達も、家族も。
全員私の知り合いになれば、貴方はもう逃げられないでしょう。
「助けて。」
どうして? 私は貴方が欲しいだけで、貴方はそれに応えなかった。 当然だと思うわ。
「出して。」
ここから出たら貴方は全く知らないところで全く知らない人にどこかへ連れていかれてしまうかもしれないわよ。そんなの嫌でしょう?
「なんで。」
なんで?その言葉の意味が分からないわ。 貴方の事が愛しいからよ。私の愛しい人。
「私も貴方が好きよ。愛してる。」
そう。 私もよ。
今にも目覚めそうな顔をして眠る人がいた
いつまでも目を覚まさないで
きっとそのうち覚めるだろう束の間の休息なんだろう
そんなことを思わせるような顔で眠る人だった
来る日も来る日もその人は目覚めないで、いつの間にか自分は10年ほど同じ事をしていたらしい
毎年咲く花の種類も、その人に似合う花も、全部全部分かってしまったから もう迷いなく手に取ることができた
「また今年も、春が来ますよ。母さん。」
貴方はきっと、今年も目覚めない
「なんか黒くね。」
そんな事を不意に言うようなやつだった。
「お前、、、、何見て言ってんだよ、。」
当たり前のように、いつものように声を発した。
「え、あ、見えない?」
「見えない。」
「そっか、、、。」
通り雨みたい。
確かにな。まあ意図して見える訳じゃねえし。
お前にしか見えなくて、お前にしか見せる気が無かった俺の心の権化。 お前の瞳にしか映らない可愛そうな俺の心を、照らして表に引っ張ってったのはお前だけだった。
だから、お前にしか見えないように、上手く隠すんだよ。
「この後家でゲームする?」
可哀想なのは俺だからな。
「 」のど真ん中で死んで欲しい。
昔誰かに言われた言葉だった
誰が言ったのか、その人が自分を恨んでたのか、そんな事は一切覚えてなくて、でもきっと今世で言われた言葉じゃない事くらい分かってた
きっと、その人と出会ったのはずっと遠い昔の自分なんだ
「付き合って1ヶ月記念に花束ってどう思う。」
「重いね。」
「え!?重い!?」
「物理的な意味合い。重い。持って帰るの大変。」
「そっかァ、、、、。」
「花畑とか、一緒に見に行けば。」
「花畑、、、?そんなん喜ぶかぁ、?」
「それは知らん。」
もう会うことはないと思ってて、でもまた出会ってしまって、まるで魂が惹かれ合うかのように出会ってしまった
「それ、、、俺に聞かんといかんの、、、。」
つい、出てしまった言葉だった ほんとに、つい
「え、あ、悪ぃ、笑 ダチの恋愛相談とかやだよな〜笑今度映画行くかー!はは!」
映画なんか。彼女と行けよ。
「行かない。 俺は一人で行く。」
「えー!んなもんさァ!寂しいじゃんかよ!」
でた、また寂しいだ 決まってこの人は寂しいを口にした
「寂しくなんかねぇよ。一人で行けるわ。」
ナメんなよ うぜえ
「ほーーーん、じゃあ俺が1人で行けねえから一緒に行こうぜ。彼女こーゆーの好きじゃないからさ。」
トントン 指を刺したのは俺が好きなヒーローものだった
「それ、、、、お前あんまって言ってたろ。ハマんなかったって。」
「いやァ!お前がさぁ!なんかすんげぇワクワクしながら見るもんだから借りて見たら俺もハマっちゃってぇ!笑だからさ、一人で行くとか言うのやめてさ俺と行こうよ。」
すぐこれだ また、俺はこいつから離れらんない
「いや、俺も彼女と行くし、、、。」
「ぇ、、、、?」
「俺もう行くわ。午後授業取ってないし。」
「え!!!!!ちょ!!!!ちょっと待って!!!お前彼女出来たなんて一言も!!!!」
「誰もがお前みてぇにわざわざ申し出ると思ってんなよなー!!!!じゃーな!!!!!」
いつもみたいに朝起きて飯食って寝て そしたらいつの間にか、そーゆー間柄になってただけで、それは今世では無い
この世界は平和ボケ出来るくらいに幸せな世界だからな
でも、だからこそだ
花畑のど真ん中で死んで欲しい。 それはあくまで前世の俺の、俺達の感想だったって事だろ。