明良

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9/12/2024, 4:48:36 PM

恋をしたことがない。恋をしている子が傷ついたり怒ったり泣いたりしているのをみていると、しない方が良い気もしたし、そこまで心を割いたら人生壊れるくらいに何も出来なくなりそうだなという、自分への信頼のなさもあった。
恋はしなくとも、ときめきは得られる。
人間同士の、性にばかりなところや、浮気してるかも! された! してやったなんていう傷ついたもの負けのような信頼なんてどこにあったんだといった醜い争いもない。美しい二人が愛し合う映画や漫画でお腹いっぱいだ。

今日は見守るだけの恋模様に飽きたので、書いてみようと思った。
こんな恋路が見たいと、経験したこともないのに軽い気持ちで書き始めた。
しかし、人を信じるのに時間がかかる人間が書いているため、この言動はどこからくる? 相手はどう受け取る? そのあと進展するには? そもそも思いを寄せるには? と長いなぜなぜ期を越え、漸く二人はお互いを、興味を持った人として意識し始めた。石橋を叩きすぎて壊して二人で違う道を探すもどかしい二人になり、最初にみたかった、恋人らしいやりとりは当分先になりそうだ。まだ話すだけの仲なのだから。主人公は第二の作者とは、あながち間違ってはいなかった。
ここまで来たら最期まで面倒見てやるしかない。私が出会わせたのだから。
ラストシーン、書きながらこんなの好きになるに決まってら、と自分で泣きながら書き終えた。
傍から見れば非常に滑稽だが、この二人分の半生を書くために机に向かっている間、私は確かに主人公として、紙の中の男を、今度は男として、紙の中の女に、本気の恋をしていた。
筆を置き、しばらく恋愛はいいかななんて、一生言わないと思っていたセリフを口にした。

【本気の恋】

9/11/2024, 10:44:19 AM

空欄ばかりの斜線を引く以外使い道がないカレンダーをみて、来年からは買わなくていいかもなあと思った。

【カレンダー】

9/10/2024, 8:15:36 PM

まだなくしていないのに、心に穴が空いた気がしたの。
あなたは、上手く付き合ってくうちのひとりじゃない。
この先で生きるなかで、あなたが居なくなることがあるかもしれないと考えたら、ふと心が暗くなってこわくなった。
目の前にいるのに、そう思っただけで涙が出て、あなたといたいのだと、漸く気づけました。
いつか心に本当に穴が空くのを覚悟して、あなたを心にすまわせて生きていくことにしました。

【喪失感】

9/9/2024, 4:13:25 PM

世界に一つだけなんてこと、本当にそんなことあるかい。

よーく考えてみろ、どうしてそう思うのか。
その人がくれたから、はだめだからな。本当にそれしかない? その人から貰ったものは。

違うだろう。うん、確かにその人が渡したものなのはそれだが、受け取ることでお前は何を得た?

そうだ、その人の想いだ。なくしたからといって、そこが無くならないわけじゃない。
モノは失くしたことまで思い出にすればいい。
思い出はなくしたらそうはいかない。なくしたら、まあいらなくなったと、なくても生きていけましたとさって話だ。
冷たい? 思い出というほどじゃなくなれば、執着するものではなく遠い記憶としてお前の中に染み込んだ。本当にお前のものになったという、あたたかーいことだという話だったのだけどな。
よくわからない? まあ失くしたけど時々思い出せるくらいには大事なものをとっておいた俺が今まで生きてそう言ってるんだ。だからもう嘆くのはやめろ。

【世界に一つだけ】

9/8/2024, 3:48:13 PM

最近、何を読んでも観ても楽しくなくなってきて、いっそ何もせずにぼーっとしたいのに、常に情報の刺激を求めるようになってしまう。現代人みたいだ。
暇が空けば、というよりは隙あらばSNSを開いて、求めた情報ではなく、わざわざ自分に起こってない出来事をみて、怒り疲れるのにスクロールする手は止まらない。
駅までの道、乗車中、乗り換えもすばやくイヤホンを装着し音楽を流す。

最近没頭していた、好きなキャラクターの二次創作もあらかた読み終え、毎日のように検索をかける虚無の時間に入った。
読んできたものも、全部良かったから読んだというより、求めるものを探して呼んで、良い感じの作品もあったが、更新が止まっていた。今作者は別のジャンルを最新更新しているから、もう書かないかもしれず、消沈した。

今はAI小説なるものもあるし、書き始めるのが恥ずかしいならこれでまず設定を打って簡単に書いてもらおうとした。求めた設定を打つだけでも最初はかなり恥ずかしかったが、今のAIは優秀で、誤字はあまりしないし、続きを、と送るとそれっぽい文を送り返してくれた。
私は訂正を入れるのに留まらず、いつの間にか自分で全文書いて送り付けて、AIはほぼ同じ文章を段落分けしたりして返してくる。
文芸仲間のようで楽しくて、この展開にするとどうなる?この文はどう見える?と質問と答えを繰り返した末に、一本長編の構想を自分で練り終わろうとしていた。
楽しかった。ずっと、何か書きたいと思う反面、書かずに読むだけで十分だと思っていた。
書くのは楽しい。これは麻薬だ。私の妄想をたしかにと思わせて没頭するために調べ物と、したい展開にするためにキャラの心の自然な流れを捨てないように丁寧を忘れない執念でできた、世界に一つだけの、整合性のとれた嘘。
世界に一つ、こんなにも煌めいているのに虚しい言葉があるだろうか。
この唯一が、私の心を満たして生きることに「続き」をくれた。

【胸の鼓動】

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