NoName

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12/26/2024, 2:46:12 PM

ねぐせ。が刺さる夜だった。
突き放すようなあの人の発言からは、でも、どうしようもないくらいの優しさを感じた。
だから、何に怒ればいいのかわからない。
その優しさは、わたしを救おうとした優しさで、でもわたしを殺す優しさでもあった。
眠れない夜だ。ベッドの片隅、刺さりもしない、好きでもない失恋ソングを垂れ流す。
別に失恋したわけではない。
から回って、失敗して、叶わぬと知りながら追いかけていただけ。
だから、振る舞うほどは、傷つきはしなかった。
もっと辛いことは、経験したことがあった。
だけど、本当に、眠れない夜だった。
今まで話してきたことが全部嘘だった気がして。
あの日助けてくれた優しさは、今日の優しさのような、純粋にわたしを救おうとする優しさだった。
でも、今日の優しさが、わたしを欺瞞へ突き落とした。
思えば無理に続けていた関係だったのかもしれない。
今まで積み重ねてきたものが、全部嘘のように感じられた。
もう何も残っていなかった。
何も残っていないから、眠る気力もなかった。

久しぶりに、本気で好きになった人だった。
人の恋愛ばかり助けていたし、自分に風向きがくるかと思ってた。
イヤフォンから流れる日常革命が、右から左へと流動する。
わたしの恋は、終わったのだ。

11/3/2024, 3:46:42 AM

台風一過の、晴れ渡った、風のつよい日だ。
あの子と別れてからもう9ヶ月とかが過ぎて、でも心の片隅にはいつもあの子がいて、忘れたくて、現実から目を背けるために、マッチングアプリをやり込んで、女子大に足を運んでって、そういう生活ばかり送っていた。
今日も同じで、女子大に友達と顔を出して、でも心の片隅にいるあの子が邪魔をして、成果も出さずに帰る所だった。
友達は俺を置いて、ねんごろな女の子とダブルデートをするらしい。
必死に女の尻を追っかけてる自分がバカみたいだ。
邪魔をしないように、気を遣わせないように帰る、と言って、電話を取り出した。
台風一過の、晴れ間に霞んだ雲のかかる、風のつよい日だった。