泥(カクヨム@mizumannju)

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2/8/2026, 9:06:08 AM

『どこにも書けないこと』

あなたとは
勝手に両思いか何かかと
思っていました。
でも、それがそうではないと知ったとき、
好きでもない人にあそこまで優しくできてしまう
あなたの芯からの優しさに気づいて
また好きになってしまいそうでした。
もしあなたに見る目がなければ、
私がもっと素敵な人間であれば、
そんなことばかり考えては
涙も出ないまま後悔だけが募っていく。
そんな夜は、もう何度目かわかりません。

本当はあなたの幸せを願いたいけれど、
私じゃない誰かと紡ぐ幸せが
私には醜いものにしか見えないのが
本当に嫌。

2/2/2026, 1:24:35 AM

『ブランコ』

ぎい、と音を立てた。私とあなた、ブランコに2人。
どうぞ、と手渡されたのは、缶ビール。

「悩み聞くよ」

それは、あなたに好きな人がいると知ったとき。うっかりしてしまって、失恋したと言ってしまった。そうしたら、あなたは当たり前のように私を連れ出してくれた。だから私は、あなたが好きだ。いや──好きだった。

「わたしね、わたしね、ずっと好きだったんだよ」

そうだね、と微笑む声。知らないくせに。もう駄目なのに、まだあなたに縋り付くしかない哀れな私を、嘲笑くらいしてくれたらいいのに。
不意にあなたは、ブランコを漕ぎ始めた。

「俺もね、本当は失恋した」

首を傾げると、

「好きな人に、そんな好きな人がいるの、知らなかった」

1/28/2026, 12:59:27 PM

『街へ』
そこは、私たちの住んでいる場所より少しだけ都会。
だから、私たちの知らない遊びもあるみたい。

「次あそこで遊ぼうよ!」

目を輝かせているあなたに手を引かれて、私も走り出す。

「楽しそうでよかった!」

私は思わず首を振ってしまいそうになった。
この街の遊びが楽しいのではなくて、楽しんでいるあなたがどうしようもないくらいに愛おしいだけ。

1/19/2026, 3:02:27 PM

『君に会いたくて』
君の最寄り駅に降り立つと、どうしても辺りを見渡してしまう。いつもと変わらない風景。少し寂れていて、けれど私の最寄り駅よりは栄えている。不思議な感じ。
私はこの駅が好き。まるで君みたいだから。ほんの少しばかりの憂いを帯びた目と、それを塗り替えてしまうような底抜けの明るさが、私には眩しい。

「あれ」

君の声がした。不思議そうに首を傾げて近づいてくる。

「今日なんか用事あるの?」

私はその一言が言えなくて、

「友達待ってるの」

だけが零れ落ちる。今は、間違いじゃないのかもしれない。でも、いつかは間違いになってしまう。そうか、なんて笑ってる君には、伝えられない。
私は君に会いたくてここにいるのに、なんて。

1/13/2026, 8:31:20 AM

『ずっとこのまま』

「──そんでさぁ、勇気出して誘ってみたんだけど、断られちゃってさぁ……これって脈ナシ!?」
「えー……脈アリだと思うけどなあ」
「だよねぇ!?今回たまたま予定あっただけだよね!?」
「多分ね」
彼は、1歩を踏み出している。けれど、私は立ち止まったまま。むしろ、彼の服の裾を掴んでいるような気がする。

あなたがその人のもとに行ったら、あなたはきっともう戻ってこないでしょ。
私のこの思いをあなたに伝えたら、あなたはきっともう戻ってこないでしょ。

それくらいなら、私はずっとあなたとその人の話を聞いてやる。
そうすればきっと、ずっとこのまま一緒にいれるから。

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