『君に会いたくて』
君の最寄り駅に降り立つと、どうしても辺りを見渡してしまう。いつもと変わらない風景。少し寂れていて、けれど私の最寄り駅よりは栄えている。不思議な感じ。
私はこの駅が好き。まるで君みたいだから。ほんの少しばかりの憂いを帯びた目と、それを塗り替えてしまうような底抜けの明るさが、私には眩しい。
「あれ」
君の声がした。不思議そうに首を傾げて近づいてくる。
「今日なんか用事あるの?」
私はその一言が言えなくて、
「友達待ってるの」
だけが零れ落ちる。今は、間違いじゃないのかもしれない。でも、いつかは間違いになってしまう。そうか、なんて笑ってる君には、伝えられない。
私は君に会いたくてここにいるのに、なんて。
1/19/2026, 3:02:27 PM