むらたま

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7/25/2024, 10:05:28 AM

鳥かごの戸はとっくに開いていた。
餌もついばまず、項垂れた鳥。
綺麗だった羽根は色褪せていく。
飛べるはずだったのに。
どこまでも飛べるはずだったのに。

7/24/2024, 10:12:50 AM

友達を作るのが下手だった。
本を読むのは好きだったけれど、物語に出てくるような事件は日常にはなくて自分は友達を作ることができないのだと思っていた。
毎朝近所の子と一緒に学校に行っていたけれど、話すのはいつも彼女のお出かけやお買い物の話、うちでは見せてもらえないテレビの話で、楽しいなんて思えなかった。

高校に入って似たような仲間ができた。
ちょっと暗いけれど個性的で、将来への不安もあって話は尽きることがなかった。
ニュース、文学、先生の癖、教科書にはない科学史や歴史の裏話。

そんな中の一人と卒業してからサイゼリアで会った。
私は浪人生で彼女は女子大生。
感極まってふたりは店内で人目も憚らず号泣してしまった。
友情ってこの世界にあるんだ。
あのサイゼリアはなくなってしまったけれど、私は今日も彼女のSNSを見て色んな事を考えている。

7/23/2024, 10:07:14 AM

花咲いて
君泣きぬれて
佇むは
遥かに遠き
ふるさとの道

7/22/2024, 10:24:59 AM

もしもタイムマシンがあったら。
両親が出会った瞬間に行ってみたい。
地方都市のホテルでのおそらく気まずかっただろうお見合い。
デートで行ったというラーメン屋さん。
遠距離交際になったふたりの別れ際。
二人の間にはどんな言葉が交わされ、どんな表情を浮かべていたのか。
その時間どんな音楽が流れ、街はどうだった?

私が生まれる前の世界を、私が生まれるきっかけを、見てみたい。

7/21/2024, 11:39:18 AM

今一番欲しいもの。
何気ない穏やかな日常。
おかえりなさいの一言。
干したてのふわふわの布団。
母が作った烏賊と大根の煮物。

でもきっと明日も私はしあわせに生きて行ける。

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