5/21/2024, 10:05:43 AM
十代の後半、私は透明人間みたいだった。
正確には半透明人間。
見える人にしか見えない、希薄な存在。
人を害さない代わりに役にも立たない、夢もない。
それでも少しづつ色がついてきて、両の手足が働く様になれたのは文字を書き始めてから。
ノートにペンで書いた先から、少しづつ少しづつ。
文字を吸収するかのように。
今ではほんのり色づいたけれど、未だに少しふわふわしている、と言われてしまう。
5/20/2024, 10:15:46 AM
理想の斜め上を行く理想のあなた。
一緒に暮らしていくうちに、欠点は見えても幻滅はしない。
ああ、ヒトとはこういうモノなのだな。
描けなかった理想の姿が万華鏡の様に次々に映されてくる。
こんなヒトいるんだな。
いつしか私は完全にあなたに呑み込まれていた。
5/19/2024, 12:57:50 PM
出逢いは突然だった。
そして、突然の別れ。
本当にあの人はこの世界にいたのだろうか。
神様が遣わした天使だったんじゃないだろうか。
そんな事を梅雨の晴れ間の青空を見上げながら、考えてしまう。
5/18/2024, 10:33:18 AM
甘ったるい恋物語は私には似合わない。
暴風雨の中の合戦の刃の様な、恋。
そんな恋を私は貴方に何度もしている。
5/17/2024, 10:30:30 AM
真夜中にぺたぺたと頬を打つものがある。
しっとりとしたこの感触。
何やら訴える様な声も聞こえる。
眠いのに。
「◯◯(猫の名)ごはんはまだだよ、まだ夜中だよ」
愛猫は拗ねたように立ち去ったが、やがてわたしが寝ている足元に来て丸くなった。