朝日の温もり
夜中にそんなタイトルやめてよ
今必要なのは深夜の冷たさで
それを全身で浴びたいんだから
それを浸透させたいんだから
例えば夜の風に乗って
街の空を闊歩できるとしても
きっと僕は気まずくなって
人の目を気にして戻るんだから
月まで飛んで行けるなら
話は全然変わるんだけど
それはなんでか叶わない
それが創作のお決まりらしい
結局僕は月を夢見て
気がついたら朝日を見てる
それはとても嫌な気分だけど
温かくて、気が悪い
最悪
そんな言葉を言ったら別れよう
そう、子供ながらに約束したんだ
少し背を伸ばした、かっこつけで
少し足を突っ込んだ、死にたがりの言葉
終着駅のチケットを予約しておきたかったんだ
煙を目印に道を決めて
ただその方へと歩を進めても
その子は僕を止めた
「煙は嫌い」
結局僕は乗り損ねた
高いチケットだったから
次の電車もそれ以上じゃないと割に合わない
だからまだ、もう少し待たないと
ほんと、最低
「ごめんね」
ちょっとらしくない詩を書きたくなっただけなの
背伸びしたくなる日もあるじゃん?
塀で囲まれた箱庭を
抜け出すつもりはないのだから
だからどうか安心して
私の居場所は変わらないから
私が苦しむ声を聴きながら
私が苦しむ詩を読んで
半袖
少し先の夏が
君の手を振る半袖に
チラッとだけ見えてしまった
きっとそれは
君にとって なんでもない夏なのかもしれない
けどそれは
僕にとって 見てはいけない甘すぎる夏で
君の夏休みは毎年来るけど
ぼくの夏休みは ずっとここから進めない
恋物語
誰かの音になるのが嫌だった
どんなに有名でも、どんなに無名でも
その音が救世主様に見つかって
美しい音色と称賛されて
美しい救世主様の音になるのが嫌だった
その昔、僕は恋をした
僕にとって人生そのもので
世界なんか些細なことだと
本気で信じた日があった
あれから、世界は僕を見なくなって
彼女は救世主様に見つかった
叶う気持ちを愛とするなら
叶わない気持ちは恋として欲しい
今でもずっと届かない
あの夏の夢と、その旋律に