伝えたい
言葉が溢れた
濁流なんてちゃんと見たこと無いのに
夏の急激な流れを見ても
それを濁流だと認識したことは無いのに
言葉が 口ではなく頭の中で溢れた
マニュアル本を常備してるの
それでいつでも消えちゃえるように
今度紐を買おうと思うの
それでいつでも消えちゃえるように
理解出来ても、共感できなかった
理解出来たからこそ、大嫌いになった
知らない彼女は笑ってた
世界一悲しい作り笑いで
その本は
その紐は
その思想は
その顔をするためにある訳じゃない
我儘でも そう伝えたかった
詩を語るほどあなたには
詩と向き合おうとしましたか
詩を横に夢へ落ちるのが
あなたには理解できますか
詩を書き綴るその行為が
どれだけの価値か分かりますか
いつか詩を綴るために
何をすればいいかお分かりですか
詩人舐めんな、ばーか。
この場所で
やけに埃臭い灰色のベッド
カーテンの隙間から差す光が
空っぽを充満する部屋に
輝きを求めていた
天井は妙に近く感じられ
手を伸ばせば届きそうで
空の彼方まで
きっと冒険できた
使い古したヒーターは
ずっと首を振り続けていて
モノクロしか移さない液晶は
ノイズすら叫ばせて貰えなくて
すぐに手の届く過去のスマホは
アラームのみを知らせた
ここに僕は いつも1人
誰もがみんな
あんな詩が書けたなら
あんな詩が書けたなら
僕はどんなに幸せだろう
僕の詩を好きと言ってくれたら
あんな詩じゃなくて僕の詩を好きと言ってくれたら
僕はどんなに惨めで 幸せだろう
関係は薄く どす黒い渦を巻き
僕の世界の海を枯らす
誰もがみんな
僕みたいに詩を書けるわけじゃないことも知ってる
でも 誰もがみんな
僕の詩を知ってくれたら
僕のことを見てくれれば きっと
海は変わらず 僕に綺麗な顔を見せてくるから
スマイル
知らない彼女がニヤッと笑った
作り笑いだとすぐに気づいた
それほど彼女の会話は濃厚で
とっても完璧すぎたから
いつもの何かがズレてる会話とは
全く違う差し込まれた油は
嘘とともに水泡に帰した
可憐なスマイルだった
知ってる彼女がニヤッと笑った
意地悪な笑いだとすぐに気づいた
それほど彼女の会話は単純で
とっても伏線じみていたから
いつも通りの道を歩いて
いつも通りの闇を呟いて
いつも通りにバスで帰った
病弱なスマイルだった
彼女が笑った
僕もすぐに笑えた
ああ、違う。違う。
僕の好きな笑顔は
彼女の求めた笑顔は
あとどのくらい歩けば 辿り着けるのだろう
みんなみんな
本音なんか声に出せなくて
ただ笑っていただけなのに
時計の針
ちょっとおかしな時間だけど
詩を書いてみることにするわ
ちょっといつもより暗がりだけど
光を浴びてみることにするわ
青白いネオンが照らしてて
赤白い太陽を真似してて
そんなお部屋の静寂の中を
ハイヒールがランウェイするの
すっごく素敵でしょ?
ここには誰もいない
ここには舞台しかない
自分勝手はダメなのでしょうけど
でも たまには必要よね