【FE風花雪月 シルヴァン―本気の恋―】
今日も適当に口説いて落として遊んで別れてまた新しい人と…それはガルグマク内では有名だった。老若男女口説いてフラレた人達は皆その枕を涙で濡らすという噂が絶えない男シルヴァンである。そんな彼は今日だけは少し違うようであった。
いつもは軽々しい足取りで歩き回りすれ違う女性全て口説く彼が、一人の女性から視線が離れない。目をつけた女性には直ぐに話しかけに行く彼が、想いを拗らせうじうじとしている。
「フン、湿気た顔をするな気持ち悪い。」
シルヴァンの腿を強く蹴る、見慣れた団子髪の彼が後ろにいた。
「フェリクスかぁ〜、いってぇ…、、力強いんだよ」
「貴様が碌に鍛えもせんからだ。」
いつも通り彼は強い口調でそういう。だが彼の言葉にはいつも裏がある。彼はどうやら、うじうじせず伝えたいことがあるならいつものように伝えにいけ、見ていられん。ということが言いたいらしい。フェリクスも素直でない。
(俺、どうやら本気で彼女の事が好きみたいだ…)
彼の見る空は鮮やかに色付いて見えたそうな。
【FE風花雪月エーデルガルトネタ カレンダー】
どうしてこうも運命は理不尽で、無邪気で残酷なほどに石畳を撫でて雨は降るのかしら。その石畳の上で貴方は未だ死人と顔を合わせているのね師。そろそろ潮時ではないかしら。
闇に蠢く者の居場所がわかったそうよ師。場所は禁じられた森、とても危険な場所のようね、でも貴方なら構わず其処に赴くでしょう、敵が獲れるものね。
カレンダーを見る度に先生にとっての復讐の時が近付いているのを実感する。私にとっても好都合よ?私の命令に背いて勝手に行動する輩を排除でき、貴方はそれらを敵として復讐する。とても好都合な環境下であると思わないかしら。
今の師はまるで復讐心に囚われ人間の命を狩るまさに悪魔。貴方が悪魔であればある程都合がいい。
このまま…師がずっと…この大修道院を出た外でも私の師であれば良いのに…。
どうしてこうも運命は理不尽なのかしらね師。でも私に運命は関係無いわ。自分で作るものですもの。神も、信仰も、関係無い。全て壊す。私の心を彩ったこの世界を。
其処に、貴方もいて欲しいわ師。
【あくねこバッドネタ―喪失―】
とある晴天の日、朧げな視界の中で、陽光が突き刺す様な木陰の中を呑気に歩く一人の男がいた。名はラムリ・ベネット。デビルズパレス内でも有名なサボり癖のある執事だ。彼はここの主の担当執事なのだが、そんな彼が部屋を出てこんな所で一体何を?木々は噂をするように木の葉を揺らして。
「こんな所で何をしているの…?」
虚空から聞こえる声にラムリは応える
「主様にゲコちゃんを見せようと思って!!」
ヒューと風が鳴く。瞬きの間にそこは陽気な庭ではなく廃れた廃屋にすり替わっていた。幻影や夢ではない。むしろ幻影なのは先程までの景色。
此処はデビルズパレス、天使に敗れ、逃げ上手なラムリだけが生き残った世界。ヒューと風が鳴く。天使の羽音が奏でる。彼は独り勝つ術を探す、晴天のある日。