【あくねこバッドネタ―喪失―】
とある晴天の日、朧げな視界の中で、陽光が突き刺す様な木陰の中を呑気に歩く一人の男がいた。名はラムリ・ベネット。デビルズパレス内でも有名なサボり癖のある執事だ。彼はここの主の担当執事なのだが、そんな彼が部屋を出てこんな所で一体何を?木々は噂をするように木の葉を揺らして。
「こんな所で何をしているの…?」
虚空から聞こえる声にラムリは応える
「主様にゲコちゃんを見せようと思って!!」
ヒューと風が鳴く。瞬きの間にそこは陽気な庭ではなく廃れた廃屋にすり替わっていた。幻影や夢ではない。むしろ幻影なのは先程までの景色。
此処はデビルズパレス、天使に敗れ、逃げ上手なラムリだけが生き残った世界。ヒューと風が鳴く。天使の羽音が奏でる。彼は独り勝つ術を探す、晴天のある日。
9/10/2024, 10:25:15 AM