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10/2/2024, 12:19:53 PM

このまま沈んちゃって

飽きるまで転がり落ちて

まだ、足らないだろう?

紅の花が頬を差す

あのときぼくたちはきえたかったんだ

だから嬉しかったんだ

支えるのが怖かった

愛し合うのが怖かった

ただそれだけ

相槌を打って

さよならまたねって

だけど

一目惚れしたから

また会いたくて

我儘なぼくだ

10/2/2024, 4:33:08 AM

さむい海を一人で歩く

ちゃぽんと鳴る投げた石ころ

息を細く吐きながら、涙目のあたしはまだ俯いて

なくせないから美しいと

景色には嘘はつけないと

さむがる悴んだ手を広げて

遠くの灯を見つめたあたし

貝殻にぜんぶ吐き出せば楽じゃないか

いっそ海にさえ藻掻いてしまえば生きれたのに

悲しくなって

愛を売って

死にたくないと呟いた

朝焼けの、海

6/26/2024, 12:42:20 PM

別れるときにはいつも匂いがした

甘い匂い

酸っぱい匂い

さっぱりする匂い

様々な匂いが鼻を掠めた

貴女は優しく笑って

「またね」と

手を振って歩き出す

貴女の香水の匂いに

ぼくはまたくらくらする

遠ざかる足音に

思わず立ちすくむぼくを

涙の匂いが

鼻を掠めた

6/25/2024, 3:26:52 PM

貴女の横顔に惚れて

息も止まるほど美しく笑って

辛い時もめげずに笑って

そして実ったのは

恋と言う心情

雨が降っても、風が吹いても

めげない

恋の花畑

6/24/2024, 10:30:32 AM

灯りがぼおっと付く満月の夜
暗い道を独りで歩く私の近くに、優しく吊るされた提灯が道を照らしていた
提灯の方に寄ると、そこは小さな蕎麦屋
私に気付いた店主が、軽く挨拶をする
「一人ですかい?」
「ああ…はい」
「そこ、どうぞ、」
「すみません…ありがとう」
「メニューはなんにしましょうかい?」
「じゃあ、日本酒をコップ一杯、蕎麦も」
「へい」
店主の、蕎麦を作る姿を眺めていると、突然問いかける
「ようこんな店を見つけられましたねえ、灯りがちっぽけだもんで、みんな通りすぎるんですわ」
「まあ、月明かりよりは明るいですからねえ…」
「ほないですか」
店主は深く頷いた
やがて、出来たての蕎麦と、酒が置かれる
蕎麦をするすると啜り、酒を一口
「旨いです…!」
「そりゃあ、よかった」
にぃと笑う店主の顔
食べ終わり、お金を払って店を出ようとすると、店主が呟く
「また、きんといてください、いつかまた会えたらですが」
「ええ、モチロン、いつか…また満月の日ですかね」
「満月の日ですか…そうか…」
店主に挨拶をして、軽く後ろを振り返ると、蕎麦の灯りが消えていた
満月の灯りも雲に隠れていた

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