5/30/2024, 4:08:30 PM
そろそろ起きる時間だわ。
黄緑の上着をゆっくり脱いで淡紅を広げてゆけば
他のみんなも目覚め始めるわ。
“今年も会えたね” “まだ起きていない子もいるね”
陽の光をたくさん浴びてみんなで咲揃えば
人の子らは私たちを歓迎してくれて。
散り行くまでは満喫しましょう。
来年も“私”で咲ける事を祈って
#終わらない旅
5/29/2024, 1:24:26 PM
細い首に手を掛けられた状態の
霞んでゆく視界と意識の中で
最期に聞こえた謝罪のことば
#ごめんね
5/28/2024, 1:21:00 PM
真夏のある日に思い出す。
蝉時雨の中であの子と遊んだ夏休み。
半袖から伸びる腕は健康そうに日焼けして。
“バイバーイ!” “またね!”
そう別れたのが最後の記憶。
遊び場所で待っていても、新学期が始まっても、
あの子に会う事はなく、大人たちに聞いてみても、
あの子が最初から居なかった様にはぐらかされる。
何処かへ消えてしまったあの子の顔は
今では薄らぼんやり浮かぶだけ。
嗚呼…あの子の名前はなんと言ったか…
#半袖
5/27/2024, 7:04:06 PM
組み敷かれて嬌声を上げる女を見下ろして
無心で行為を進めてゆけば、恍惚とした女が囁いた。
“愛しているわ”
何人からも言われたその言葉。
いつもの様にこう返す。
“キミが1番だよ”
天使の皮を被った悪魔に堕とされた女が進むその先は
#天国と地獄
5/27/2024, 10:01:45 AM
職場と家との往復で追われる毎日に、
願い事をする余裕も無ければ、やりたい事も浮かばない。
カーテンの隙間から注ぐ月明かりで浄化をする様に
疲弊仕切った身体を寝台に沈めた。
--今はただ眠らせてください…
#月に願いを