寂しさ
今日は内側からふつふつと湧き上がる
昨日はじんわりと滲み出てくる
一昨日は放たれた矢のように身体の芯に突き刺さる
鼻の奥が痛くなる
心が締め付けられる
誰にも言いたくなくて
でも言わずにはいられない
すべてを抱えたまま明日と心中してゆく
夜と朝の狭間にいる自分
心と心
同一個体に二つあるのか、別個体にそれぞれ一つずつあるのか。いずれにせよ、心とは、見た目は同じでも中身は違うのだ。
仲間
昔は温もりを感じる心地よい言葉だったのに、今、目に入れた瞬間胃が痛くなってる。それでも仲間は欲しいよね。
部屋の片隅で
年末の掃除で久しぶりに箪笥やらベッドやら退かしている。窓から差し込む光にホコリが浮き上がり、華麗に宙を舞う。ファンタジアの世界だ。花のワルツが脳内再生されている。わたしはなんと美しい世界に生きているのだ、と感動している。裏腹に、自ら進んでモノの見方を変えていくと、時に世間一般の認識とずれすぎてよくわからない状態になっている、と批判する自分も身を乗り出してきている。掃除は手を動かして雑念を払えるはずなのに今日は上手く集中できない。久しぶりに見た家具と壁の隙間に足を踏み入れ腰を下ろす。壁に寄りかかり頭を後ろに逸らしたら、当たり前だがゴツンと音が鳴りじわじわ痛くなる。何度か打ちつけても何も変わらない。ただ頭が痛いというだけのこと。現実を生きているのに現実味がなくて、いつかこの夢から覚める日が来るのだろうか。煌めくホコリを息で吹いてみる。押されて浮上したり横に逸れたりしているが、いつか床に落ちることに変わりはない。それならばと、すっかり重くなった腰を上げ花のワルツの旋律を鼻先でなぞりながら、ようやく掃除機に手をかける。年末の掃除を終わらせるために。
逆さま
夜起きて昼に寝る
夜にしか出かけない
太陽に晒されることが耐え難く
人目につくことを厭う
引きこもりになってどのくらいか
外がやけに眩しく感じる
知りたいのに感知できないし
避けたいのに迫ってくる
だいたいのことは裏目に出がち
今日だって猫のためにドアを開けようとして爪が割れた
そんなこと誰も気にしない
気にしていたら負けだ
逆張りしすぎて一周回った人みたいって言われる
逆の裏は順
つまり順張り
楽しいことを書きたいのに悲しい
自分が悲しい
自分は楽しい
悲しいことを書いていたけど楽しい
それは逆張り
順の裏は逆
人しすぎて一周回って逆張りみたいって言われる
気にしていれば勝ちだ
そんなことみんな気にする
今日だって爪を割るためにドアを開けたら猫がいた
だいたいのことは正目に出がち
迫ってくるから避ける
感知しないなら知らないし
中はやけに暗く感じる
出ずっぱりになってどのくらいか
人目につくことを好む
月夜に照らされることが耐え難く
昼にしか出かけない
昼に起きて夜寝る
逆さま
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深く考えずに書くことが多い。その方が自分の中での解釈が自由になる。新しいことを見つけていきたい。