ジーキャー

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11/21/2024, 9:50:26 AM

 キミの宝物ってどんな物なのかな。形が有る物かな。それとも、形が無い者かな。
 どちらにしても、形が有る物でも無い物でもいいんだ。宝物って言うのはね。
 けれど、経験に勝る宝は有ると思うかな。それとも無いと思うかな。
 経験の切っ掛けとしての宝は有って良いと思う。だけど、どんな経験をしたのか。それが大事になってくるのさ。
 スライムばかりを倒していった経験よりも、ドラゴンと戦った経験。どちらが価値が有るのか。キミには分かるかな。
 スカイダイビングをした経験と、その動画を見た経験。どちらに価値が有るんだろうね。
 データが消えれば、ゼロからのやり直しになるのと、1や2からのスタートになる経験。どんな経験をしたいかな。
 さて、改めて問うけど、キミはどんな宝物が経験となっているのかな。
 答えはキミ自身が知っているはずだよ。キミの中にある経験という宝物は誰にもシェアし難いもの。キミだけの経験なのだからねーー。

11/19/2024, 11:26:59 AM

 キャンドルは灯される。暗い部屋の中を、弱い灯りが照らす。
 薄暗いなか、何も無い部屋を照らしている。
 その部屋には何も無い。ただキャンドルの灯りのみ。
 その部屋の中央に彼は座り、静かに目を閉じる。
 瞑想するために、そのためだけに何も無い部屋を借りた。
 余計な物に気を紛らわされたくなかったから。
 目を閉じて集中する。自分の呼吸に。4秒かけて息を吸い、2秒止めてから、4秒以上かけて息を吐く。ただそれを繰り返す。
 彼は集中する。呼吸をすることに。全神経を向けている。現在(いま)を感じることに。現在(いま)に集中する。
 意識を彷徨わせてはならない。すでに起きた過去に思いを向けない。
 意識を彷徨わせてはならない。これから起きるであろう無限の未来に思いを向けない。
 ただ、意識をここに、ここにある現在(いま)へと向ける。それが瞑想。
 やがて、一迅の風が入り込み、キャンドルの灯りが消される。それでもなお、彼は瞑想を続けている。
 いつまで続くのか。それは誰にも分からないーー。

11/18/2024, 11:25:32 AM

 思い出がたくさん有るというのは良いことだ。切っ掛けさえあれば、どんな思い出も思い出すことができる。
 写真だったり、インテリアだったり、オブジェだったり、様々な物が思い出す切っ掛けとなる。
 思い出を肴にして仲間と談笑することができる。
 1人でも切っ掛けを肴にして、飲み物を片手に思い出に浸ることもできる。
 その思い出を書き散らして、一冊の本にすることもできるだろう。
 旅行の思い出があれば、自分なりの旅行史を作ることもできる。
 自分の半生を書き遺した自分史だって同じ、作ることもできる。
 半生をドラマにしたものだってできるだろう。
 誰かの半生をドラマのように再現することだってできるもの。
 そこまでの思い出を作れると良いのだが。
 これからも思い出は作っていけるだろう。それぞれの違いは有るとしても。
 私が作る思い出。あなたが作る思い出。彼らが作る思い出。
それらは決して、皆同じになることは無いのだろう。
 交わることは有るとしても、そのまま同じ状態というわけでは無い。
 どこかに去ることも有るのだろう。それでも、交わった思い出たちはたくさんおの思い出の中の一つとなる。
 そして、それは生涯の宝にもなるのだからーー。

 ーー人の生涯は星の瞬きに比べれば刹那の出来事に過ぎないのかもしれない。
 けれど、思い出はその瞬きの内に煌めきを放ち続けていくーー。

11/17/2024, 10:32:17 AM

 冬になったら寒くなる。それは当然のこと。雪が降るのも同じ。
 風が冷たくなっていく。。涼しさから寒さへと変わりゆく。
 全ての自然は眠りに着く。春の目覚めの時を待ち焦がれながら。
 葉は枯れ葉となり、風に吹かれ散りゆく。どこへ向かうかは分からない。
 地面に落ちていくのか。遠くの地へと吹かれゆくのか。それすらも分からない。
 雪は降り積もりゆく。現の地か心の地か、どちらでもあり、どちらでも有る。
 温もりは冷めてゆく。秋の時にあった温もりは、冬に閉ざされ、眠りと共に冷めていく。
 それでも人は営みを続けていく。地面が雪で凍っても。
 それでも人は生活していく。地面が雪で凍らなくても。
 冬になったら、どんな物語が眠るのか。
 冬になったらどんな物語が目覚めるのか。
 それは誰にも分からない。その誰かが訪れない限り。
 それは誰にも分からない。全ての観測者たちですらーー。
 
 ーー冬は閉ざす。冷たい銀世界を静かに覆うようにして。
 冬は閉ざす。眠りゆく自然を見守るようにーー。

11/16/2024, 10:23:50 AM

 彼と彼女ははなればなれになってしまった。
 どうしてなのか。住む場所も働く場所も異なっていた。異なり過ぎていたのだ。
 少しの距離ならば連絡は取り合えるだろう。しかし、遠距離になるとそうはいかない。
 慣れない仕事に体力を持っていかれ、自宅に着いた頃にはもうクタクタ。
疲れ切ってしまい、彼女と連絡する気力は無い。
 そして迎えるのは結末は自然消滅。緩やかに進行する別れ。
 ただ、思い出として互いのなかに存在するのみ。
 再会する時は縁を取り戻せるのかどうか。それは誰にも分からないーー。
 
 ーーこれは誰にでも有り得る未来の結末。運命はどんなシナリオを好むのか。
 受け入れるか否か。それは、当事者にも、観測者にも分からない。

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