自分の意見を真っ直ぐと貫く彼が好きだった。
彼は困った人がいるとそれが誰であろうと関係なしに助けていた。そんな彼がかっこよくて憧れだった。
その反面彼が妬ましがった。何も隠すことなく堂々としている彼は自分とは正反対だと感じたからだ。
どうしてこうも違うものなのだろうか。元は同じ人間じゃないか。
ボクは思い切って一方的な想いを彼にぶつけることにした。
「なぜ君はそんなにかっこいいんだ?せっかく可愛いを求められる姿で生まれたのに、どうしてズボンなんかを履いて髪を短くしてるんだよ。」
彼は一瞬戸惑った顔をした。だが直ぐにボクの心を読んだかのようにクスッと笑った。
「君も自分の心に従ってスカートを履いてとびっきりのおしゃれをしてごらんよ。そしたらワタシの気持ちが理解出来るはずだよ。」
ボクは彼の真っ直ぐな言葉に心惹かれた。
これがボクがまだ高校生だった頃の数年前の話。今日は高校の同窓会の日だ。ボクはお気に入りのワンピースに袖を通し、キラキラとしたメイクをして同窓会へと向かう。
彼に会うのが楽しみだ。
#また会いましょう
"仲良い人達で集まっていると、自分だけ疎外感を感じる。"
誰もがこんなことを経験したことがあるのではないだろうか。
ワタシがその状況になってしまった理由は、学校でワタシを含めいつも一緒にいた五人の中の一人、マナという友達に嫌われたことが原因だったと思う。なぜ嫌われたのかは分からないし、直接言われたわけでもなかった。
ただ、ワタシがマナに話しかけると五回に四回は無視された。そしてマナ、ワタシそしてもう一人と三人でいる時にはワタシの存在がまるでいないかのように目線すらこちらに向けない。その時点でワタシのメンタルは痛んでいた。
それでもめげずにみんなに話しかけていたのはイツメンの中で一番中が良かったアイという子のおかげだった。アイとは趣味などがとてもあい、二人で遊びに行ったり、アイが他の人にはしないような恋愛相談をワタシにしてくれるほど仲が良かった。
そんなアイは最近マナといつもより仲が良くなったらしく、放課中などに2人で喋っているのを見掛ける。ワタシはそういう時二人の間に入ることが出来ないので、席でスマホを触っていた。一人の時間が一番虚しかった。
アイはマナとの会話が一段落終わるとワタシに話しかけてくれて、「一緒に喋らない?」と声をかけてくれた。ワタシはもちろん二人に混ざった。それでもマナは相変わらずアイと二人で会話するような態度のままだった。
そしてワタシにはもう一人とても仲のいい子がいた。その子はランという子で、勉強がとてもできてワタシとは真逆の世界に住んでいるのだと思っていた。だがランのハマっているゲームを聞き、ワタシも始めたことによりすっかり意気投合して一緒にいることが増えた。
放課になるとゲームの話をしたりと盛り上がり、ランといる時間が増えた。
けれどランはマナと仲がいいため、ランにとってワタシはゲームのことが話せる友達程度で止まっているのだと思う。
そしてイツメンの最後の一人。その子の名前はイトといい、毎日一緒に帰っていた。イトは好きと好き以外の区別が激しい子だった。イトのお気に入りはマナとアイ。ランのこともそれなりに好きだと思う。ワタシのことは多分なんとも思っていない。体育などで二人組みを作る時もイトはマナやアイの元へ行く。それでも帰り一人になるのが嫌なのかワタシと必ず帰る。こんな感じでイトに友達差別をされていると実感するととても心が痛くなる。
イトとは電車で帰るのだが、途中でワタシが乗り換えをするためすぐに別れる。その乗り換えした後にワタシは他校の親友と落ち合う。
ワタシはその親友が眩しくて心の支えだった。
趣味は同じでもその中の好きなものが真逆だったりと正反対のことも少なくはなかったが、どんな事でも言い合えて話し出すと永遠と話せるほどワタシは親友の隣が心地よかった。
どんなに学校でハブられたり無視されたりして暗い気分でいても、親友に逢うだけでワタシの心は一気に晴れた。
私にとっての一筋の光、それはたった一人の親友だったのかと思う。
#一筋の光
#ただの実話
#おそ松さん二次創作
#哀愁をそそる
今日はなんとなく気分が沈んでいた。
天気はこの時期にしては珍しい曇り空で、パチンコではプラマイゼロのツーペーだった。
「ただいまぁー」
返事がない。いつもならおかえりと言ってくれるはずだ。恐らく全員外出しているのだろう。弟たちに構ってもらおうとしていたのに残念だ。
居間に行くとそこには猫を抱え込んで座る一松の姿があった。
「え!お前いたの?!返事くらいしろよなー」
「めんどくさかった。」
返事をくれなかったことに対して、一松に不満を漏らしていると階段を下る足音がした。そして少し経ってから襖が開いた。
「あれ、おそ松兄さん帰ってたの?おかえり〜」
「さっきただいまって言ったけどね?!てかトド松は2階にいたんだ」
「そうだよー。今日雨降りそうだったから兄さん以外はみんな家に居るよ。」
「え?!うそ!?」
「ほんとほんと。カラ松兄さんと十四松兄さんは屋根の上で、チョロ松兄さんはもうすぐ降りてくると思うよ。」
そう言うと同時にまたまた襖が開けられた。
「あれおそ松兄さんいるじゃん、ってお前そんな薄着で出掛けてたの?今秋だよ、肌寒くないわけ?」
言われてみれば今日の帰り道は最近までの景色と違い、赤や黄色などと暖かみのある色を沢山見かけたことを思い出す。
天気に便乗して気分が下がっていたが、思ったより悪くない1日だったのかもしれない。
#おそ松さん二次創作
#鏡の前の自分
歯を磨いている時にふと目線をあげると、そこには鏡に映った自分がいた。
鏡の前に立っているのだから自分が映るのは当たり前のことだ。それなのに今日はなんだかそれが無性に気になってしまった。弟たちとよく似た顔立ち。
それでも違うところは沢山あって、1番目の弟は俺と違って眉毛が太い。2番目の弟は少し黒目が小さい。3番目の弟はいつも髪の毛がボサボサでだるそうな目をしている。4番目の弟は常に口を大きく開けている。5番目の弟は黒目が大きく、口はアヒル口を作っているらしい。
じゃあ俺は?俺はみんなに比べてどういう風に違うんだ?わからない。末っ子にはプレーンと呼ばれる始末だ。
誰か俺の特徴を言ってくれ。
「自分の顔見つめて何してんの、クソ松の真似?」
考え事をしていて背後に立つ3番目の弟の気配に気づかなかった。
「ちょっと考え事してただけだし!俺別にナルシストじゃねーから!!」
いつもの調子でふざけた口調でそう言うと3番目の弟は鼻で笑った。
「おそ松兄さんが考え事なんで似合わないね。」
その何気ない一言にさっきの疑問が甦ってきた。
そうだ、俺は見た目こそ普通だ。それでも中身にはちゃんと俺にも個性があるんだ。
その答えに辿り着いた俺は3番目の弟、一松に尋ねた。
「ねぇ一松、俺ってクズ?」
「何言ってんの、当たり前でしょ。おそ松兄さんは馬鹿でクズでどうしようもない童貞だよ。」
楽しそうにヒヒッと笑いながらそう言い切った弟の最低な発言に、不覚にも俺は嬉しいと思った。
そして怒った表情を作り俺は言った。
「言っとくけど童貞はお前もだからな?!?!」