#おそ松さん二次創作
#鏡の前の自分
歯を磨いている時にふと目線をあげると、そこには鏡に映った自分がいた。
鏡の前に立っているのだから自分が映るのは当たり前のことだ。それなのに今日はなんだかそれが無性に気になってしまった。弟たちとよく似た顔立ち。
それでも違うところは沢山あって、1番目の弟は俺と違って眉毛が太い。2番目の弟は少し黒目が小さい。3番目の弟はいつも髪の毛がボサボサでだるそうな目をしている。4番目の弟は常に口を大きく開けている。5番目の弟は黒目が大きく、口はアヒル口を作っているらしい。
じゃあ俺は?俺はみんなに比べてどういう風に違うんだ?わからない。末っ子にはプレーンと呼ばれる始末だ。
誰か俺の特徴を言ってくれ。
「自分の顔見つめて何してんの、クソ松の真似?」
考え事をしていて背後に立つ3番目の弟の気配に気づかなかった。
「ちょっと考え事してただけだし!俺別にナルシストじゃねーから!!」
いつもの調子でふざけた口調でそう言うと3番目の弟は鼻で笑った。
「おそ松兄さんが考え事なんで似合わないね。」
その何気ない一言にさっきの疑問が甦ってきた。
そうだ、俺は見た目こそ普通だ。それでも中身にはちゃんと俺にも個性があるんだ。
その答えに辿り着いた俺は3番目の弟、一松に尋ねた。
「ねぇ一松、俺ってクズ?」
「何言ってんの、当たり前でしょ。おそ松兄さんは馬鹿でクズでどうしようもない童貞だよ。」
楽しそうにヒヒッと笑いながらそう言い切った弟の最低な発言に、不覚にも俺は嬉しいと思った。
そして怒った表情を作り俺は言った。
「言っとくけど童貞はお前もだからな?!?!」
11/3/2023, 2:22:43 PM