冬科

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9/16/2025, 1:18:47 PM

『答えは、まだ』


今日、好きな人に告白した。

相手は、僕のことを知らないと思っていた。

だって自分は、所謂「隠キャ」と呼ばれる人間だからだ。

これに関しては自他ともに認めることだった。

でも、君は僕のことを知ってくれていた。


「隣のクラスの……、去年クラスおんなじだったよね?」


「え…、知ってるの……?」


「話したことあったから。ほら、グループワークのとき。ずっと同じ班だったじゃん」


まさか、覚えていてくれてるとは思わなくて、胸がぎゅうっとする。



そもそも、この告白は自分の気持ちにけりをつけるものだったから、こんなに会話が進むとは思っていなかった。

どうせ、「ごめんなさい」で終わりだろうと思ってた。

だけど、君はこんなに知っててくれてたんだ……。



「うーん、告白なんだけど……」

あ、来た。今しがた想像してた結果が来るときだ。

高く高くレンガを積み上げて、心の壁を厚くして、飛んでくる言葉に覚悟をした。


「君のこと、私まだ全然知らないと思うからさ……、」


その通りだ。自分が一方的に知ってるだけ。


「だから、」


「答えは、まだ。——先送りにさせて」






書いてて自分が恥ずかしくなってしまった
よくある設定のお話です

9/15/2025, 1:32:07 PM

『センチメンタル・ジャーニー』

(感傷的な旅、失恋の傷を癒す旅、という意味らしいです)



とりあえず、旅に出た。

なんも考えられなくて、最低限の生活物質を持って電車に揺られた。

とにかくどこか遠くに行きたかった。遠くに居たかった。

あの人が居ないところへ。



川が綺麗なところに行った。

山並みが美しいところに行った。

鳥のさえずりが聞こえる道を歩いた。

その土地の美味しいものを食べた。



何もかも忘れることが許された。

社会で生きる事も、あの人の隣にいられる未来を想ったことも、

全部、ぜんぶ、

何もかも入れ替えられたような、


感情丸ごと掻き消せるような、



そんな旅だったと、今は電車に揺られている。


9/14/2025, 11:27:19 AM

『君と見上げる月…🌙』


手が悴んで、自分の手を温めるという行為も億劫になってしまった。

足は地面にぴったりとくっついて離れない。

見晴らしのいい丘の上まで連れてきてくれたのは嬉しいのだけど、やっぱり寒さが今は勝つ。


「冬は空気が澄んでるから、星が綺麗に見える」


こっちに来てから君に教えてもらった。

都会生まれの私はあまり星空を見てこなかったから。


目の前には、無数の星々が散らばっている。

小さな星も自分の主張を忘れずに、ちゃんと輝いて、空が燦々としている。

中でも一番の輝きを放っていたのはやはり月だった。

都会でも月はもちろん見たことはある。

でも、今、すぐそこにいるこの星は、初めて見るような気がした。

空気が澄んでいるからなのか、
その吸い込む空気が綺麗で凍てついているからなのか、周りがやけに静かだからなのか、



「さむい……」

寒さに耐えきれなくて、上を見上げたまま、少し縮こまる。

「さぶい?」

そう問いかけ、君は私の手を絡めて繋いでくれた。







冬想定のお話です。
「さぶい」は「寒い」の方言です。

9/13/2025, 11:17:22 AM

『空白』


大切な記憶を、私は忘れてしまったらしい。

目が覚めたら、やけに天井が白くて、入る光が眩しかったんだ。

隣には、君が居たんだ。

なんで、君が泣いているのか、わからなくて、

「大丈夫ですか」って聞いたら、

君は、すっと涙を引っ込めてしまった。

それから、君の涙を見てないね。

君は、私の恋人なんだね。

ごめんね、何も覚えていなくて。

忘れてほしくないよね。

大切な人が、自分のことを覚えていなかったら、

苦しいよね。

なんにも、覚えてなくてごめんね。

全部消去してしまったみたいな。


空白ができてしまった私に、

君は、

また思い出をくれて、埋めてくれるんだね。



ありがとう

そう言ったら、君は「急になに笑?」

って言ってくれた。

今の、君がくれた記憶も嬉しいんだ。

だけど、

この、思い出せない記憶も

思い出したら、

君はまた涙を流してくれるかな……?







よくある記憶喪失パロ的なものです。

5/2/2025, 11:13:09 AM

 甘い、甘い、甘い…
 好きな人匂い、温もり、舌の味…。
 あー、こんなに甘いんだ。
 恋って、こんなに甘いんだ。
 
 ずっとずっと、この甘さが続けばいいのに…

 
 そんな時間がもうないなんて、嫌だな。
 
 
 貴方が居ないのが悲しい。

 貴方に会いたい。

 貴方に触れたい。

 貴方との思い出は、私にとって甘い思い出。

 
 また、会える日を、楽しみにしていますね。

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