『木漏れ日の跡』
自分は小学校に通っていた時、「そっちから通った方が遠回りしなくて済むから」という理由で、正門からではなく裏門から入っていました。と言っても、門と言う門はない裏門でしたが。
裏門から昇降口まで少し距離がありまして、裏庭を通り抜けなければなりませんでした。
その庭には、たくさん木が植えてあって、夏はとても涼しい場所でした。
なにせ、家から学校まで日陰になる所がなかったのです。しかもかなり距離もある。日が昇る方向に学校があったので、夏は登校が大変でした。
そんな暑い中長い道のりを歩いた先にあったのが学校の裏庭のたくさんの木々たちで。特に夏なんかは、朝日に照らされた葉の隙間から見える日向がとても綺麗だった事を覚えています。
またあの道を歩けるのは、いつになるのか。一生ないのか。
ただ、あの木漏れ日の中歩いた景色は、頭の中に残っています
(文脈は、あの、あんまり気にしなしでくださいごめんなさい)
『秘密の箱』
ずっと閉じ込めとこう。
だって恥ずかしいし。
話せたら、打ち明けられたら、そりゃ幸せだろうけど。
ずっと隣に居たいし。
話していたいし。
できたら、手なんか繋いでみたい。
でも、恋は、思いが通じ合った時より、片思いをしている時が楽しいとか言う。
じゃあ、まだこの苦しい思いは、
まだ持っておいた方が、良いのかもしれない。
じゃあ、何かに閉じ込めておこう。
こぼれ落ちないように。
箱か、何かに。
『涙の理由』
泣いている理由なんて、なんでもいいじゃない。
嬉しくて泣いても、
苦しくて泣いても、
なにも理由がないのに泣いても、
それは全部、私の涙なんだから。
あなたが、気にすることじゃないでしょう?
そんなこと聞くんだったら、
隣に居てよ
『虹の架け橋🌈』
びっくりするくらいに近い距離に虹がかかっているものだから、思わず手を伸ばした。
無論、その手は空を切って何も掴めなかった。
ここから二、三分も全力で走れば、あの虹の橋のたもとにたどりや着くことができそうなくらい、すぐそこにあった。
きっとあの橋を渡りきったとき、
目の前にある一つ大きな山を越えることができると、本気で思えるくらい、
すぐそこに、綺麗な光が輝いていた。
という思い出が作者にはあります。by作者
『既読がつかないメッセージ』
昨日から、君と連絡がとれていない。
君はたまに、ふらっと姿を消す。
日中ならまだしも、夜に居なかったり、一日中、長いときは三日居ない事もあった。
そういう時は、大抵、生きる術を持たずに消えていく。
お金はもちろん、食べ物も、必要な薬も、スマホも。
ただ今回は、家に君のスマホが見当たらなかったから、今回は持っていったのかもしれない。
でも、送ったメッセージに既読はつかない。
どこにいるか教えてくれる?
ちゃんと食べてる?
帰ってきて、二人で話そう?
体調崩してない?
ひとつも、既読がつく事はなくて。
夜勤が終わった明け方。家に帰ってきたら、身体中ボロボロになった、君が玄関に横たわっていた。