百瀬御蔭

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1/9/2025, 9:22:06 AM

耳の奥 ちりんちりんと 涼やかに
甘やかな声 この身は手毬に


君の声が今も頭から離れなくて
声聞くたびに手毬のように転がされてしまう


お題
Ring Ring……/「り」

短歌に訳を追加

1/8/2025, 9:27:04 AM

鏑矢は頬を掠めて敵を貫く
見知らぬ御方背中合わせで

『反撃の狼煙』

お題
追い風

※短歌アプリ57577にも掲載済み

1/7/2025, 9:07:20 AM

「寒いね」
マフラーに埋もれながらそう嘆く君。既に指先は冷え切っていて、感覚が麻痺しているのではないかと心配になる。けれど、君は自由で。こんな寒い中でアイスに釣られてしまっていた。
「今日も頑張って生き抜いたから」
たっぷりのクリームもいいが、ほろ苦いカラメルも悪くない。引き換えにカイロと金を握らせた。
 
夜風に首を狙われながら、今日も俺達はアイスを味わっている。

「甘美なる誘惑」
お題
君と一緒に

1/5/2025, 4:58:41 AM

 おぎゃあ、おぎゃあ。
 とある城の一室。十月十日を経て、待ち望んだ産声が響き渡った。

 その数日後の話。

 ロランスはその腕の中に我が子を抱いていた。
自分と同じ黒織の髪、夫とよく似た青紫の瞳。均等に取り込まれた特徴に、不思議な気分になる。


 母に会わせてあげられなかったのが残念で仕方がない。若くして夫を失い、王家に翻弄され、後ろ盾が無い中で奮闘していた姿が目に浮かぶ。
 祖国の戦乱が収まる頃には、母はもう長くなかった。それでも、私が嫁ぐまでは気丈に振る舞っていた。

「貴女たちに降り注ぐ厄災は、全て持っていくわ……母として、それくらいしかできないけれど」

 急激な体の変化、思うように動けない苛立ちと痛み。母が腹を撫でてくれたその日からそれらは和らぎ始めた、けれど。
 
「ありがとう……そして、幸せになるのよ」

 
 きゃっきゃと無邪気に笑っている。
 この子は私と同じ道を辿るのだろうか?
 それとも……違う道を歩むのだろうか?

「陛下」
「調子はどうかな?ロジェは随分とご機嫌のようだが」

 為政者とは違う、父としての家庭の顔をしている。ロジェも父に会えたことで、より嬉しそうに声を上げる。

「無理する必要はない。やるべきことはあるだろうが、この子と触れ合う時間を何よりも大切にしてくれ」
「……もちろん」
「そうだ、昼御飯を持ってきた。私がロジェをあやすから、ゆっくり食べるといい」

 裾野に広がる街。市井の人々は新年を祝う催し物で賑わいを見せている。その根底にあるのは変わりない平和な日常。

「ん、おいしい……」

 しかし、いつもと味付けが違う。先程、厨房が騒がしたがったが……陛下の仕業だろう。

「陛下!見つけましたぞ!まだお話は終わっていませんよ!」

 家族が一人増え、城内もひときわ賑やかになった。大陸にはまだ燻る戦火があり、いつか再び燃え上がるだろう。

「待って、その、ほら、ロランスの穏やかな顔に免じて許して」
「何を仰って……申し訳ありません。食べ終わり次第向かわせます」
「そんな!」

 今はただ、勝ち得た平穏を享受するだけだ。


『穏やかな昼下がり』
お題
幸せとは

1/4/2025, 8:28:14 AM

夜空に走る亀裂。
それは変わりなき太陽か、大地を焼き払う炎剣か。
だが、人々はこの国の夜明けだと信じている。


『革命の光』
お題
日の出

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