御蔭

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12/20/2024, 10:00:17 AM

一人で過ごす夜は寂しいものだ。
同じ時間を過ごす喜びを知ってしまえば、なおさら。
見慣れた面影を追いかけるように、今日も夜市を歩く。

『魔女は騎士の影を追う』
お題
「寂しさ」

12/19/2024, 9:52:26 AM

パチパチと薪の爆ぜる音がする。
降り注ぐ雨の音は夜と共に去り、雪に変わっていた。
窓の外を眺めていたら、後ろから抱きしめられた。差し出されホットワインを飲むと、甘くてスパイシーな味がした。口数こそ少ないが、一緒にいて心地が良い。
窓に映る彼はいつもより柔らかな笑みを浮かべていた。

「この熱を君にも」
冬は一緒に

12/17/2024, 9:59:26 AM

苦しく重くなる意識の中で、貴方の手の感触がずっと残っている。

お題
風邪

12/15/2024, 1:32:08 PM

吐いた息は白く、吹き抜ける風は冷たい。そんな寒空の下、二人は歩いていた。
「……君と出会ったのも、こんな寒い日だったか」
頭から血を流していた少女は、生きているのが不思議な状態だった。家主である男は懸命に手当てをし、今もこうして2人で静かに暮らしている。

降る雪が見上げる星空も、在るべき道も覆い隠してしまう。男は少女の髪に触れ、末端の一束に口付ける。
彼女は気付かない。親切の裏側に潜む、男の仄暗い欲望に。

『氷雪の聖域』

お題
雪を待つ

12/15/2024, 9:28:29 AM

聖誕祭が近付き、街は華やかな光で彩られている。私も幼い頃はクリスチャンであり、教会にも足を運んでいた。
「ただいま」
差し出された手を繋ぎ、ゆっくりと歩き出す。暗闇に閉ざされ、死地へ赴いた日々は過去のもの。
私達が勝ち取った平和は、今もこうして続いている。
「無事に帰ってきてくれて、ありがとう」


『祝い事は貴方と一緒に』
お題
イルミネーション

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