百瀬御蔭

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11/30/2024, 1:28:48 PM

手のひらから伝わる熱は、血と共に巡る。彼女を思わせる温かさが、俺を奮い立たせてくれる。
魔法使いは泣いていた。
「力になれなくてごめん」
違うんだ、力不足なのは俺の方だ。守りながらでは危険に晒してしまうから。後悔を滲ませる彼女に、胸が締め付けられる。
「……信じているから」

『いつかまた会えることを』
泣かないで

(#騎士と魔女)

11/27/2024, 8:33:40 AM

冷え切った君の手に伝わる温度。

微熱

11/26/2024, 5:58:26 AM

流れに逆らい藻掻く翡翠は、魔女に訴えるように鳴いた。自然の摂理に干渉することを嫌う彼女だったが、見殺しには出来なかった。冷えた身体を温め、折れた羽を何日もかけて治す。荒れ果てた住処に帰すわけにもいかず、契約を持ちかけた。
そういうわけで、翡翠は義務と権利、終の棲家を手に入れた。

『空を泳ぐ蒼炎』
太陽の下で

(#騎士と魔女)

11/24/2024, 6:38:01 AM

色付く紅葉に微かな秋を感じた。

刎ねた首は真紅の中に埋もれる。

君の声が眠りに誘い落とす。


『落ちの三重奏』
落ちていく

11/22/2024, 1:05:29 PM

お嬢さん、ビートルズの楽曲『When I'm 64』は聴いたことありますか?……そうでしたか。
今日は良い夫婦の日だと聞きまして。ふふ、楽しく温かな老後を夢見るのも悪くないでしょう?
おっと、お話をしていたら曲の終わりに近付いてきましたね。
さて……この手紙の返事、どうしますか?


『貴方はその手を取った』
夫婦

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