百瀬

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8/29/2024, 9:45:38 AM

 淑やかに降り注ぐ雨。空は段々と明るさを落とし始め、仕事が一段落したころには天気は大荒れ、雷鳴が鳴り響いている。
激務故に遅めのコーヒー休憩へと席を立つが、カウンターに向かう人影が見えて慌てて戻る。人の良さそうな彼は、申し訳なさそうに空き部屋の有無を聞いてきた。泊まるための手続きで彼はペンを滑らせる。美しい筆跡に見惚れていたが、思わず声を上げてしまう。

「マーヴェ」

 白い耳がピンと立ち上がり、彼もまた顔を上げる。

「クローディア様?!えっと、お久しぶりです」

 彼は競技騎士時代のマネージャー。色々あって離れてしまったが、元気そうで何よりだ。部屋に向かう彼を見送って締め作業に入る。コーヒー休憩すら取れなかったが、それも終わり。丁度いいところで、彼の姿があった。

「お疲れ様です、その、良ければ……」
「え、いいの?ありがと」

まさか奢ってもらえるとは。これだけでも嬉しかったが、カップにメッセージが書かれている。


『今夜のご予定にお邪魔しても?』
突然の君の訪問。

8/28/2024, 9:59:32 AM

淑やかに降り注ぐ雨の音。今日は部屋でのんびりすることにしよう。

wip

雨に佇む

8/27/2024, 5:12:41 AM

この本丸の審神者は魔女である。
力と知恵を悪戯に使うが、仲間のことは大事にしている。
彼女の本丸では手紙も主要なやりとりの手段であり、日に何十通も行き交う。誤って開封しそうで怖いとの声を受け、封蝋を導入した。
この試みは成功したようで、彼女の本丸には手紙用の部屋まで設けられている。

『空綴の封蝋──とある審神者のメモより抜粋』
私の日記帳

8/26/2024, 9:49:57 AM

夢うつつより意識が浮上する。
何度か瞬きすれば、霞む視界は鮮明になる。目の前にいる誰かに身構えたが、深緑の瞳が懐かしい記憶を呼び起こす。
「久しぶりだな、エノ」
記憶の中、その面影を残しつつ渋さを増した騎士。あの時と変わらない優しい彼。
差し出された手を取れば、軽々と魔女を抱えて夜の森を駆け抜ける。

『再会は夜明け前に』
向かい合わせ

8/25/2024, 9:53:10 AM

「……君のような人間が、誰かを殺すんだ」

無知とはなんて恐ろしいことだろうか。彼は主を庇うことすら叶わず、その苦しみを誰にも明かしてこなかった。うなされている時の寝言だけが、彼の本音を伺わせてくれる。
真っ青な顔で飛び起きた彼の顔を見ても、そのようなことが言えるのだろうか?


「遺された者たち」
やるせない気持ち

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