6/30/2024, 10:00:16 AM
澄み切った天色の空に、“入道雲”が浮かんでいる。
日陰にいても暑い日……
(入道雲、未完)
6/29/2024, 7:57:45 AM
“教授、一口もらってもいいですか?”
下がり眉と潤んだ瞳。見事に撃ち抜かれた私は、まだ口をつけていない方を彼女に向けた。小さい一口と控えめに覗く舌に色気を感じ、思わず目を逸らした。
“美味しかったです。私のもどうですか?”
差し出されては断れない。溶けるクリームを舐め取れば、重たい甘みが広がる。
「綾音くん、君はどんな味がするのかい?」
Title
「眩む線引き」
Theme
「夏」
6/25/2024, 8:50:49 AM
「アーヴィン教授」
最初は誰に呼ばれたかわからなかった。声の主が彼女だと知った瞬間、私は彼女に抱き着いて涙を流した。昂ぶる感情のせいで、腕の力を緩めることが難しい。
「綾音くん、君が私を呼んでくれたのか?本当に?」
「えぇ、真っ先にアーヴィン教授のことを呼ぶつもりでしたので」
『筆から声音へ』1年後
6/14/2024, 9:57:17 AM
綾音くん、アジサイって綺麗だと思わないかい。君もそう思うだろう?私もね、繊細な色の移ろいが好きなんだ。考えてみたら不思議な話だね。同じ紫でも、赤や青の割合によって全く違う印象を受けるね。うん?あぁ、こっちでも花の名前を由来とする紫は多いよ。
「教授のお喋りは嫌いじゃない」
Title
花の色は
Theme
あじさい
6/9/2024, 9:58:51 AM
「クローディア、私と本当の家族になりませんか」
マルキェヴィッチの言葉に、目を見開いた。少しの間を置いてその意味を理解し、涙が頬を伝い落ちる。
「覚えていたの……?」
「勿論です。貴女のことを、ずっと想っていますから」
歓喜の雫は透き通る宝石となり、足元に積もる。
「苦楽を共に」岐路
※二次