「クローディア、私と本当の家族になりませんか」
マルキェヴィッチの言葉に、目を見開いた。少しの間を置いてその意味を理解し、涙が頬を伝い落ちる。
「覚えていたの……?」
「勿論です。貴女のことを、ずっと想っていますから」
歓喜の雫は透き通る宝石となり、足元に積もる。
「苦楽を共に」岐路
※二次
競技騎士としての終わりは経験したが、そんなことは考えたこともなかった。垣間見える死よりも、苦楽を共にした彼の事が頭を過ぎっていた。別れを告げることもできず、恩を返すために戦っていたが──。
「嬉しいです……今度こそ、一緒に」
互いに姿は変われども、想いは変わらぬまま。
来たる終焉の前に、深く溺れてしまおうではないか。
『夢の続き』
世界の終わりを君と
※二次
あぁ、いけない。私は教授であり、生徒には平等に接するべきなのに。湧き上がるこの怒りをどう抑えようか。
冷静になるために、冒涜的な量の角砂糖とミルクを淹れる。健康に良くないのはわかっているが、我慢ならなかった。
「すまないね。大人として恥ずかしいところを見せてしまったよ」
Title「侵緑」
Theme「最悪」
「姉に怪我を負わせ、殺したのは私です」
何かをしないと出られない部屋の類で、どちらかの秘密を話さねばならないというもの。しかし、私には秘密なんてものはないから強引に突破するつもりだった。それなのに、彼女は早々に語り、扉を開けてしまった。
「私なんかより、きっと良い人がいますから」
Title「黒猫の贖罪」
Theme「誰にも言えない秘密」
本棚には講義のテキストだけでなく、興味のある本が並び始めた。友人が色鉛筆で描いた絵も吊るした。クローゼットの中の服も少しずつ色味を増やしている。
弓毛を緩め、本体を拭き上げる。これのおかげで毎日食べていけるし、教授と二人で演奏することが決まった。
記憶は無いけど、今が幸せだから。
Title「1Kの中身」
Theme「狭い部屋」