神樂

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11/24/2023, 11:47:32 AM

セーターを抱きしめていた。
からっぽな部屋で、独り。

「ねぇ、」

声が聞こえて振り返る。

「泣かないでよ、もう」

昔と同じ笑顔で笑う彼女が居る。

「一番泣きたいのは此方なんだから」



嗚呼、ごめん。そうだったね。
彼女が抱きしめるセーターは、僕が彼女に編んだものだ。

11/23/2023, 11:02:20 AM

落ちて、堕ちて、墜ちて、おちて。

おちた先に会ったのは、紛れもない私だった。


何十、何百と積み上がったわたし。

虚ろな瞳がこちらを見つめ、こう言った。
「ねぇ、どうすればよかったの?」

その瞬間また墜ちて。

あぁどうしようもなかったんだと気づく。


「どうすれば、好かったんだろう」

落ちていく彼女の手を掴んだらなにか変わったかなと、暗闇に堕ちていく意識の中で微かに思考した。

11/22/2023, 11:34:18 AM

パパとママの言う夫婦というものになりたかった。
成れないことを、知っていた。

「結婚おめでとう、お姉ちゃん」

私は今日、最愛の人のフラワーガールとしてここに立っている。

11/21/2023, 1:02:50 PM

「どうすればいいの?」
癇癪を起こす眼前の子供を見る。
泣きながら必死に訴えるその子供の頸を絞めた。
「どうしようもないんだよ」
そう言うしかなかった私は、きっと無力だ。