バスクララ

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4/4/2025, 12:38:35 PM

「ねえ知ってる? 桜の木の下には……」
「死体が埋まってるんだろ?」
「むぅ、さすがに君も知っていたかぁ」
 突然幼なじみ殿から花見をしようと誘われ、流れに流されやってきたが……この話題はどうなんだ?
「あのなあ……せっかくの花見なんだからもっと楽しげな話題はねえのかよ」
「例えばどんな?」
「ど、どんなって……そうだな……。
昨日食べたメシが美味かった……とか?」
「ふむふむ。確かに楽しい話題だね。私はメンチカツだったんだけど、君は何食べたの?」
「餃子とたこ焼きとコーンスープ……」
 我ながら食い物のジャンルがバラバラ過ぎると思うし、幼なじみ殿もそれは思ったのかくすくすと笑った。
「ふふっ、いいなぁ。さぞかしお腹いっぱいになったんだろうね!」
「あー、まあ」
「そんな食いしん坊な君に朗報!
ほらたこせんが売ってる! 買いに行こう!」
 俺をグイグイ引っ張る幼なじみに俺はつくづくこう思うのだった。
 花より団子だなぁ……と。

4/3/2025, 12:48:27 PM

君の隣で笑ったり泣いたり、時にはちょっとおどけてみたり。
君と一緒に一生を過ごすという想像をしてみて、ぽーっとしてみたり。
だからこうして君と夫婦になれて僕はとても嬉しいんだ。
だからこれは君と僕との誓いの言葉であり、約束。
健やかなる時も病める時も、死が二人を分かつまで君の隣にいる。
二人で幸せな日々を過ごしていこう。

4/2/2025, 12:22:31 PM

空に向かって飛び立とうとする友達の背中を私は黙って見つめる。
止める権利は私にはない。
友達がそれを強く望んでいるから。
下を見るのも嫌な高さだ。落ちたらきっとひとたまりもない。
……よくこんなことを決心して、しかもあんなところを恐れずに立てるなあと半ば呆れながら私は周りから聞こえてきたカウントダウンを小声で唱える。
『5、4、3、2、1! バンジー〜〜!!』
友達が落ちていき楽しそうな絶叫が響く。
次は私の番だけど、落ちる恐怖を想像したら血の気がサーッと引いていくのを感じた。
……強く誘ってくれた友達には悪いけど、やっぱ怖いからやめとこ……
スタッフさんに声をかけて私は階段をそろりそろりと降りていくのだった。

4/1/2025, 12:34:47 PM

今では仲の良いあの子も最初から友達だったわけじゃない。
はじめましてと挨拶してそれから仲良くなっていった。
新入生、新社会人の人たちも、これからはじめましてをたくさん言うことだろう。
ここで紡いだ縁はこれから先あなたにとってかけがえのないものになると私は信じている。
あなたの紡ぐ縁、そして人間関係がより良いものでありますように。

3/31/2025, 12:58:50 PM

今日で職場を去る人がいた。
生活圏が違うからおそらくもう会えないだろう。
そう考えると少し寂しいが、家庭の事情なら仕方がない。
そう思いながら歩いていると、子供たちがまたね! と手を振ってそれぞれの家路に帰っていくのを見た。
……もしまた会いたいとか、会いましょうとか未来に繋がる言葉を言ったらあの人は笑って頷いてくれただろうか?
私が勝手に諦めただけではないだろうか?
そんなことを今更考えても詮無いことだが、そんな未来があっても良かったなとは思う。
今私があの人に願えるのはただ一つ。
あの人が幸せでありますように。

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