空鈴 ss

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2/3/2023, 3:43:43 PM

「いつか居なくなっちゃうんだよね」
そうだ。彼も俺も、いつか消えてなくなる。
「そんな悲しいこと言うなよ。俺の心の中でお前はずっと生き続けてるから」
柄にもなく馬鹿なことを言う。
彼はいつもの顔を崩さず
「でもいつか忘れるでしょ。」
と呟く。コイツは何処までマイナス思考なんだ。
「俺のことが信じられないのかよ!」
軽く突っ込んだつもりだったが、彼は大きな目から少しずつ涙を零していた。
「忘れないで、、ずっと隣で笑ってて、、」
縋るように泣いてくる。彼が何かを抱え込む姿は幾度も見てきたが、泣くほどでは無かった。
ただ、それと同時に俺は彼の特別になれたような気がして、少し嬉しいような、そんな感じだった。
「馬鹿だな。ずっと一緒だよ」
彼を抱きしめ、頭に手を置く。
「お前もずっと隣で俺を笑わせてくれよ」
彼が嗚咽を漏らしながら泣く。
「何歳だよ馬鹿。心配症だなぁ」
はは、と笑ってみせる。
彼と俺、どっちが先に死ぬかなんて俺たちには決められない。神様が気に入った方を遺してく。
そんな輪廻の中で俺たちは生きている。仕方の無いことなんだ。
いつか死ぬ、いつか居なくなる。
いつか、誰からも忘れられる。
それでも
「ずっと一緒だよ」
そう思えるのは、君だから。

#1000年先も

浮上できてなくてすみません、、。スランプですごめんなさい許してください

1/23/2023, 2:05:04 PM

「彼は居なくなったんだよ」

誰かからの強い言葉にハッとし、目を覚ます。
また、不吉な夢。人が死ぬ夢。
そろそろ悪い事でも起きそうだな、なんて軽く流しながら、朝の支度をする。
俺には彼がいる。だから、こんな事も些細な事なんだ。
ゆっくり寝息を立てる彼の頬を撫でる。
いつもはあんなに冷静で、キビキビしているのに、寝た途端に、少しした子供らしさを覗かせる。
「…….何してるの」
「うお、起きた。ごめんごめん」
頬を撫で続けていると彼は起きた。
そして頬を撫でていた俺の手をとって起きる。
「おはよ」
「ん、はよ」

「めっちゃ変な夢見ちゃったんだよね」
「え?偶然だな。俺も」
「え嘘、まじ?人が死んじゃう夢なんだけど」
「うお、一致すご。怖いよな」
「ほんと、まぁ信じてないけど。」

ほんとに些細な会話だし、馬鹿みたいな話だと思ったんだよ。

「は?」
彼が車に跳ねられた。
「は?え?なんで?え?」
まだ生死をさまよっているらしいが、生きる確率は低いらしい。
こんな言葉が脳裏をよぎる。
「彼は居なくなったんだよ」

そんな事ないよな
まだ、頭が働かない、動かない、動けない。
「死んだんだ。」
俺の夢が些細なことなんかじゃなくなった。
「まぁ、信じてないけど」
静かに流した涙は重力に逆らわず、カーペットに染み込む。
「俺も死んだら、お前の夢も」
人が死んじゃう、そんな夢。

#こんな夢を見た

1/19/2023, 3:13:02 PM

今日も、明日も、また次も。
僕は君に恋焦がれてしまう。
気付けば君を目で追っている。
「好きだ。」
そう言おうとも、言葉は出なくて。
勇気が出なくて。

「俺たちずっと友達だよ!」
君はそう言ってくれた。
嬉しかった。その時から酷く彼を好きになって、
でも。
「友達でしかないんだね。」
それ以上を求められなくて。

辛かった。彼に僕はどう見えているんだろう。
手を伸ばせば届くのに、手を繋ぐことは出来ない。
女が嫌いなわけでも、男が好きな訳でもない。
彼が僕にとっての特別だったんだ。

「え?彼女が出来たの?」
「うん。お前に1番に知らせたくて」

知らない。いらないよ。

「おめでとう、、。」
「ありがとな!ずっと俺の事好きだったらしくてよ」

そんなこと知らなくていい。

「お前も早く幸せになれよ。」

君無しでなれるかよ。バカ。

#君に会いたくて

会い、、、会いたい? テーマガン無視です、、。

追記
少し誤字があったので編集しました。

1/16/2023, 2:58:50 PM

目を奪われた。
彼はこの世のものとは思えないほど、静かで、高貴で、
今すぐにでも、散ってしまいそうな儚さがあった。
手を伸ばす。でもどれだけ望んでも、コイツは俺に見向きもしない。彼は獣を飼い慣らすように、
「静かに。」
そういった。そして俺から背を向け、前へと歩いていった。
「待て───。」
その声は届くことも無く、静かに夜の闇へと消えた。

手に入れたい、手に入れたい。
その一心で俺は彼を探し続けた。
でも、どれだけ探しても、残っていたのは彼の鱗粉だけだった。
会いたい、手に入れて、俺のものにしたい。
ふつふつと心の中から何かが溢れる。
それを押さえ込みながらも、俺は目を光らせていた。

手に血を染めた。
殺した。人を殺した。
彼を殺した。
彼が悪いんだ。俺に目も向けないから。
彼の顔を両手で持ち、こちらを向かせる。
まだ息はあった。
「こっちを向いてくれたね。」
「なにをっ、、。」
静かに唇を合わせる。彼の口からは血が滴っていた。
「はは。愛してるよ」
彼はもう死んだ。動かなくなった。
彼の口やら首やら腹やらからでる赤い液体は何よりも綺麗で、美しい彼の白い肌を桃色に染めていた。
俺も行こう。せっかく恋人になれたんだ。
また会おうね。僕の美しい恋人。

#美しい

またヤンデレました、、。うぅ。
明るい話増やしたいです、、。

1/15/2023, 2:11:01 AM

死ネタの続きこれで最後にします、、。

彼が死んでおよそ2週間ほどたっただろうか。
元々2人で住んでいた家は少しだけ寂しさを感じて。
「帰って、、来るよな、。」
彼からのメッセージも来ない。
「なんで、、どうしてだよ、、嘘つくなよ、。」
乾いた涙のあとからまた涙が零れた。

死んでしまいたい。
彼に会いたい。
そういう相談をしてみても周りは
「今じゃない」とか「あいつの分まで生きろ。」
だとか、綺麗な言葉ばっか並べてる。
彼に会えない世界で必死に生きるくらいなら、彼に会いに死んでいくのはどうだろう。
そんなことばかり考えてしまって。

彼が死んだ道路に向かう。
犯人は捕まったらしい。そんなことどうだっていいが。
そこには少しだけ血の跡と少しの花が飾ってあった。
彼は死んだ。彼は居なくなった。彼はこの世のものではなくなった。
そう思うと俺とはどこか違うような気がして。
「会いたいよ、、。」
柄にもなく、人の前で涙を流した。

「え?」
どこからが彼が俺を呼ぶ声が聞こえた。
横断歩道を渡った先に彼がいた。
ただ走った。会いたかった。
信号が赤になる。周りの人が俺を呼び止める。
そんなことどうだって良かった。
「おかえり!」
多分その時、俺は

彼と見た新しい世界はどこか寂しくて、でも彼が居るから、どうだっていい。
「どうして、こっちに来てくれたの。」
「お前を迎えに行きたかった。」
ずっと離さない。
「死ぬまで一緒だよ」

#どうして

あれお題、、、。まぁ、いいか。
こういうシリーズ系増やして行きたい!

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