「いつか居なくなっちゃうんだよね」
そうだ。彼も俺も、いつか消えてなくなる。
「そんな悲しいこと言うなよ。俺の心の中でお前はずっと生き続けてるから」
柄にもなく馬鹿なことを言う。
彼はいつもの顔を崩さず
「でもいつか忘れるでしょ。」
と呟く。コイツは何処までマイナス思考なんだ。
「俺のことが信じられないのかよ!」
軽く突っ込んだつもりだったが、彼は大きな目から少しずつ涙を零していた。
「忘れないで、、ずっと隣で笑ってて、、」
縋るように泣いてくる。彼が何かを抱え込む姿は幾度も見てきたが、泣くほどでは無かった。
ただ、それと同時に俺は彼の特別になれたような気がして、少し嬉しいような、そんな感じだった。
「馬鹿だな。ずっと一緒だよ」
彼を抱きしめ、頭に手を置く。
「お前もずっと隣で俺を笑わせてくれよ」
彼が嗚咽を漏らしながら泣く。
「何歳だよ馬鹿。心配症だなぁ」
はは、と笑ってみせる。
彼と俺、どっちが先に死ぬかなんて俺たちには決められない。神様が気に入った方を遺してく。
そんな輪廻の中で俺たちは生きている。仕方の無いことなんだ。
いつか死ぬ、いつか居なくなる。
いつか、誰からも忘れられる。
それでも
「ずっと一緒だよ」
そう思えるのは、君だから。
#1000年先も
浮上できてなくてすみません、、。スランプですごめんなさい許してください
「彼は居なくなったんだよ」
誰かからの強い言葉にハッとし、目を覚ます。
また、不吉な夢。人が死ぬ夢。
そろそろ悪い事でも起きそうだな、なんて軽く流しながら、朝の支度をする。
俺には彼がいる。だから、こんな事も些細な事なんだ。
ゆっくり寝息を立てる彼の頬を撫でる。
いつもはあんなに冷静で、キビキビしているのに、寝た途端に、少しした子供らしさを覗かせる。
「…….何してるの」
「うお、起きた。ごめんごめん」
頬を撫で続けていると彼は起きた。
そして頬を撫でていた俺の手をとって起きる。
「おはよ」
「ん、はよ」
「めっちゃ変な夢見ちゃったんだよね」
「え?偶然だな。俺も」
「え嘘、まじ?人が死んじゃう夢なんだけど」
「うお、一致すご。怖いよな」
「ほんと、まぁ信じてないけど。」
ほんとに些細な会話だし、馬鹿みたいな話だと思ったんだよ。
「は?」
彼が車に跳ねられた。
「は?え?なんで?え?」
まだ生死をさまよっているらしいが、生きる確率は低いらしい。
こんな言葉が脳裏をよぎる。
「彼は居なくなったんだよ」
そんな事ないよな
まだ、頭が働かない、動かない、動けない。
「死んだんだ。」
俺の夢が些細なことなんかじゃなくなった。
「まぁ、信じてないけど」
静かに流した涙は重力に逆らわず、カーペットに染み込む。
「俺も死んだら、お前の夢も」
人が死んじゃう、そんな夢。
#こんな夢を見た
今日も、明日も、また次も。
僕は君に恋焦がれてしまう。
気付けば君を目で追っている。
「好きだ。」
そう言おうとも、言葉は出なくて。
勇気が出なくて。
「俺たちずっと友達だよ!」
君はそう言ってくれた。
嬉しかった。その時から酷く彼を好きになって、
でも。
「友達でしかないんだね。」
それ以上を求められなくて。
辛かった。彼に僕はどう見えているんだろう。
手を伸ばせば届くのに、手を繋ぐことは出来ない。
女が嫌いなわけでも、男が好きな訳でもない。
彼が僕にとっての特別だったんだ。
「え?彼女が出来たの?」
「うん。お前に1番に知らせたくて」
知らない。いらないよ。
「おめでとう、、。」
「ありがとな!ずっと俺の事好きだったらしくてよ」
そんなこと知らなくていい。
「お前も早く幸せになれよ。」
君無しでなれるかよ。バカ。
#君に会いたくて
会い、、、会いたい? テーマガン無視です、、。
追記
少し誤字があったので編集しました。
目を奪われた。
彼はこの世のものとは思えないほど、静かで、高貴で、
今すぐにでも、散ってしまいそうな儚さがあった。
手を伸ばす。でもどれだけ望んでも、コイツは俺に見向きもしない。彼は獣を飼い慣らすように、
「静かに。」
そういった。そして俺から背を向け、前へと歩いていった。
「待て───。」
その声は届くことも無く、静かに夜の闇へと消えた。
手に入れたい、手に入れたい。
その一心で俺は彼を探し続けた。
でも、どれだけ探しても、残っていたのは彼の鱗粉だけだった。
会いたい、手に入れて、俺のものにしたい。
ふつふつと心の中から何かが溢れる。
それを押さえ込みながらも、俺は目を光らせていた。
手に血を染めた。
殺した。人を殺した。
彼を殺した。
彼が悪いんだ。俺に目も向けないから。
彼の顔を両手で持ち、こちらを向かせる。
まだ息はあった。
「こっちを向いてくれたね。」
「なにをっ、、。」
静かに唇を合わせる。彼の口からは血が滴っていた。
「はは。愛してるよ」
彼はもう死んだ。動かなくなった。
彼の口やら首やら腹やらからでる赤い液体は何よりも綺麗で、美しい彼の白い肌を桃色に染めていた。
俺も行こう。せっかく恋人になれたんだ。
また会おうね。僕の美しい恋人。
#美しい
またヤンデレました、、。うぅ。
明るい話増やしたいです、、。
死ネタの続きこれで最後にします、、。
彼が死んでおよそ2週間ほどたっただろうか。
元々2人で住んでいた家は少しだけ寂しさを感じて。
「帰って、、来るよな、。」
彼からのメッセージも来ない。
「なんで、、どうしてだよ、、嘘つくなよ、。」
乾いた涙のあとからまた涙が零れた。
死んでしまいたい。
彼に会いたい。
そういう相談をしてみても周りは
「今じゃない」とか「あいつの分まで生きろ。」
だとか、綺麗な言葉ばっか並べてる。
彼に会えない世界で必死に生きるくらいなら、彼に会いに死んでいくのはどうだろう。
そんなことばかり考えてしまって。
彼が死んだ道路に向かう。
犯人は捕まったらしい。そんなことどうだっていいが。
そこには少しだけ血の跡と少しの花が飾ってあった。
彼は死んだ。彼は居なくなった。彼はこの世のものではなくなった。
そう思うと俺とはどこか違うような気がして。
「会いたいよ、、。」
柄にもなく、人の前で涙を流した。
「え?」
どこからが彼が俺を呼ぶ声が聞こえた。
横断歩道を渡った先に彼がいた。
ただ走った。会いたかった。
信号が赤になる。周りの人が俺を呼び止める。
そんなことどうだって良かった。
「おかえり!」
多分その時、俺は
彼と見た新しい世界はどこか寂しくて、でも彼が居るから、どうだっていい。
「どうして、こっちに来てくれたの。」
「お前を迎えに行きたかった。」
ずっと離さない。
「死ぬまで一緒だよ」
#どうして
あれお題、、、。まぁ、いいか。
こういうシリーズ系増やして行きたい!