兎と亀

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8/2/2025, 10:44:02 AM

波にさらわれた手紙

『瓶に手紙を入れて海に流すと願いが叶うんだって』

幼い頃に君が話したおまじない
今も忘れることのできない思い出が
滝のように流れてくる

それはすべてが美しくて
触れれば消えてしまうような儚さを孕んでいる

永い眠りについた彼は
一体どんな夢を見ているのだろう

目の前にずっと続く地平線に私は息を呑む

まっすぐに進むそれに私は彼のことを重ねてしまうから

私は紙に一言だけ書いた

叶わなくていいからと
届いて欲しくて書いた

貴方に会いたい

8/2/2025, 10:29:58 AM

8月、君に会いたい

『元気にしてるかな…』

一人部屋で小さく呟いた
あの日のことがまだ鮮明に蘇る

7月の中旬私はある男の子と出会った
彼はいつしか私の一部になっていた

向日葵畑で笑う君は太陽のように煌めき
たくさんのそばかすは星のように輝いて

私の心を奪って行った彼は
8月になると呆然と姿を消した

まるで神隠しにあったかのように

でも私はまだ君に会いたい

7/31/2025, 2:12:15 PM

眩しくて


『大好きだよ』

そう笑う君の隣は私だった
彼の優しさが怖かった

いつからだろうこの気持ち
知らない間に溜まっていた気持ちは
どんどん大きくなって
彼の隣にいるだけで苦しくなっていく

彼の隣は本当に私でいいのか
これからも愛を届けるのは私なのかと

背中に重くのしかかる

君が隣で笑う笑顔は

眩しくて苦しかったから

7/30/2025, 3:22:56 PM

熱い鼓動


『優勝だーーー!』


そうリポーターが叫んだ
あの日夢見た情景のようだった
歓声が眩しいほどに僕達を照らす
抑えられなくなるほど、胸が高鳴っていた

あの日の練習は嘘じゃなかったんだって
ここにいるのは夢なんかじゃないって

チームメイトの顔を見て実感した

たくさんの表情をしていた
笑顔と涙が交差していて

そしてトロフィーを手にした時には
みんなが熱い鼓動で高鳴っていた

7/29/2025, 10:09:19 AM

タイミング




今日もクラスメイトの彼を目で追いかける
私は彼のことが好きだから

隣で座る彼は好青年で人気者
でも最近様子がいつもと違う
一人の女の子を眺めているみたい

まるで恋焦がれているみたいに

私は彼の姿をみて
苦しくなった

私の姿は眼中に入ってないみたいで

そして数日後
その子と彼は付き合ったって

私のほうが先に恋に落ちたのに
それなのに彼女の「好き」が届いてしまっただけなのに

人生はすべてタイミングなんだと神を憎みたくなった

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