兎と亀

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8/31/2025, 12:38:52 AM

ふたり

今日も何もない…
変わらない世界の中に

手を繋いでるふたりがいる

ふたりはただ手を繋いでいるんだ
何も考えていない
ただ景色を眺めるふたり

小さい頃おばあちゃんから聞いたんだ

あのふたりはね
世界が無くなったあと…

灰になれなかったふたりなんだ
神様の悪戯のせいでね

…ただふたりされどふたり

ふたりの世界はまだ続いている

8/29/2025, 11:44:28 PM

心の中の風景は

『綺麗…』

雲一つない青空
一面に咲く赤い花に
心を奪われた

風に吹かれ花びらが散って逝く
それを横目に私は走った

綺麗に散った花の間をから漂う
独特な匂いに酔いそうになる

花火が上がる音
皆が観戦をあげる音

わたしはきっとこの風景から出られないの

8/28/2025, 1:58:47 PM

夏草

夏草や 兵どもが 夢の跡

ここは…かつての英雄が戦っていた場所なのに
今では夏草が多い茂っているようだ

教科書を眺めながら呟いた俳句だった

私達もきっとこの俳句のように忘れ去られる運命だ

きっと時代は私たちの望むように進んではくれない…
今もそうだ

『意地悪…』

空に向かって呟く

結局は私たちは夏草のように多い茂ることしかできないのだろう

でも私はそれがちょうどいい

8/26/2025, 9:22:48 AM

もう一歩だけ


『待って…』


静かに進む君の背を目がけて走り出す

一向縮まらない距離に
何かを探しても見つからなくて

手を伸ばしても届かない背に
何も言えなくて…

ごめんね
私が君の心にもう一歩だけ近づいていたら
君の今にも涙が出そうな顔は
笑っていたかな?

8/25/2025, 9:06:58 AM

見知らぬ街


『あれっ…ここは…』

無駄に静かな町並みに
全然明るくない街灯

電波もないこの街に迷い込んだ

周りの人も私をジロジロと見ている
周りの人の服装はなんと言うか…
中世の本で出て来るような服装だ

私の服装はいつも着ている制服なので
怪しがるのも仕方ない

でも…ここの空気は

悪くない

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