兎と亀

Open App

波にさらわれた手紙

『瓶に手紙を入れて海に流すと願いが叶うんだって』

幼い頃に君が話したおまじない
今も忘れることのできない思い出が
滝のように流れてくる

それはすべてが美しくて
触れれば消えてしまうような儚さを孕んでいる

永い眠りについた彼は
一体どんな夢を見ているのだろう

目の前にずっと続く地平線に私は息を呑む

まっすぐに進むそれに私は彼のことを重ねてしまうから

私は紙に一言だけ書いた

叶わなくていいからと
届いて欲しくて書いた

貴方に会いたい

8/2/2025, 10:44:02 AM