しらじら

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1/29/2025, 10:15:12 AM

真昼の暖かな光は、僕には眩しすぎるから。
どんぐりの木の下で、ちょっとひと休み。

木々は光を浴びようと、めいっぱい葉っぱを広げている。
硬い殻に覆われた白い実も、いつかそのひとつになるんだろう。

お気に入りの帽子をしっかり被って、俯いてさえいるのに、なぜだかとっても目が眩んだ。

(日陰)

1/28/2025, 2:24:37 PM

クラスメイトに、いつも黒いキャップを被っている男の子がいた。
彼は眩しいのが苦手で、教室の明るさでもダメらしい。

確かに、いつも俯きがちだし、誰も彼の目を見たことがないらしいし…
と、みんながみんな、ほどほどに納得しつつ、ほどほどにふしぎがっていた。

それなら色メガネとかでもいいんじゃないの?と聞いてみたけど、「上に隙間があるからよくない」と返された。
頭からすっぽりじゃないとダメなんだって。

ある放課後、夕日が差し込む教室に彼がいた。
珍しく帽子を外して、あちこち探っている。
きっと、誰かが帽子を隠すなんてイジワルをしたんだろう。

声をかけると、彼はこちらを向いた。
瞼を固く閉じたまま。
「もしかして、今までずっと目を瞑ってたの?」
「うん、帽子がないと眩しいから」

そういう彼に、運動帽を貸してあげた。
すると、彼は飛び上がらんばかりに驚いて、喜んで、その拍子に目を大きく見開いた。
ラムネ瓶みたいな色だった。

(帽子をかぶって)

10/11/2022, 12:38:16 PM

窓際の席。風の強い日。
換気をしようのポスター。

照らされた黄色い生地と、日陰の黒板。

きいろ、みどり、きいろ、きいろ、みどり…
まぶしい、くらい、まぶしい、まぶしい、
くらい、くらい…くら……くら………

踊る布と同じくらい、気分もふんわり夢心地。


あ、前の席の子に窓閉められた。
カーテンはすっかりしぼんで、
その後ろにいた先生がこっちを見て……
やっぱり怒られた。

その間、カーテンは素知らぬ顔。
きっちりと結ばれ、どこかりりしい。
子供をからかうおじいちゃんみたいだ。

いつまでも守られてると思うなよって?
やかましいわ。

10/8/2022, 3:52:49 PM

魔王をやっつけて、
王国に戻ってきた勇者たちが、
お祝いパーティをした後、
真の魔王に襲撃されるみたいに。

頑張って、ほっとしたら、
もっと頑張らなくちゃいけないような、
そんな気持ちになる。

だから、いっぱい休んで、
もっと頑張るの階段を、
低く低くしていきたい。

裏ボスも、すぐに蹴散らせるくらい……

10/7/2022, 11:41:16 AM

もう会えなくなる貴方へ。

ひとりぼっちだった私を、
友達にしてくれた貴方へ。

レジンと、金色の歯車と、
感謝の気持ちを込めて。

素朴な木箱に包んだ、
小さなランタン飾りを贈ります。

どうか、これが。

貴方がこれからを生きて行くための、
力となりますように。

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