しらじら

Open App
10/11/2022, 12:38:16 PM

窓際の席。風の強い日。
換気をしようのポスター。

照らされた黄色い生地と、日陰の黒板。

きいろ、みどり、きいろ、きいろ、みどり…
まぶしい、くらい、まぶしい、まぶしい、
くらい、くらい…くら……くら………

踊る布と同じくらい、気分もふんわり夢心地。


あ、前の席の子に窓閉められた。
カーテンはすっかりしぼんで、
その後ろにいた先生がこっちを見て……
やっぱり怒られた。

その間、カーテンは素知らぬ顔。
きっちりと結ばれ、どこかりりしい。
子供をからかうおじいちゃんみたいだ。

いつまでも守られてると思うなよって?
やかましいわ。

10/8/2022, 3:52:49 PM

魔王をやっつけて、
王国に戻ってきた勇者たちが、
お祝いパーティをした後、
真の魔王に襲撃されるみたいに。

頑張って、ほっとしたら、
もっと頑張らなくちゃいけないような、
そんな気持ちになる。

だから、いっぱい休んで、
もっと頑張るの階段を、
低く低くしていきたい。

裏ボスも、すぐに蹴散らせるくらい……

10/7/2022, 11:41:16 AM

もう会えなくなる貴方へ。

ひとりぼっちだった私を、
友達にしてくれた貴方へ。

レジンと、金色の歯車と、
感謝の気持ちを込めて。

素朴な木箱に包んだ、
小さなランタン飾りを贈ります。

どうか、これが。

貴方がこれからを生きて行くための、
力となりますように。

10/6/2022, 12:18:01 PM

制服を脱ぎ捨てて、私服に着替える。
学校指定のカバンから、
プリントファイルを引っ張り出す。

あと何回、これができるんだっけな…

「これから、どう学校生活を過ごして行くか」
について、原稿用紙3枚〜4枚程度で書きなさい。

そんなん、いつも通りに決まってんじゃん!

なんてツッコミはできない。


だって、いつも通りになんてできない。


透明なデスクマットの下。
もう4ヶ月も前の部活予定表が入ってる。

すぐ触れる場所のちっちゃい本棚。
教科書や参考書で、ほぼ埋まってる。

はぁーっ……こっからの学校に楽しみとか、
友達とかに会えるくらいしかないじゃん…


ふと、カバンでスマホがぶるると鳴った。
別の学校に通う友達からのLINEだ。

「進路決まったってね!おめでと〜!!」

……そういえば、高校受験の時もそうだったっけ。
あの時は、確か…


気がつけば、朝になっていた。
思わず机から飛び上がったけど、どうせ休日だし、作文の提出期限は1週間先。

はぁ…よかった……。
それに、昨日の夜に書いたノート、
ヨダレの餌食になってない。

進路先でやりたいことリスト。

ふと、後ろでスマホがぶるると鳴った。
あ……やっべ…

10/5/2022, 3:15:49 PM

夢の中。

寝過ごしたあとみたいな、
こわ〜っとした音が頭の中で流れていた。

酷い頭痛。

それも忘れるくらい、
不思議で綺麗な光景が広がっていた。

空いっぱいの、緑の縁を持つ金字。
点と、線と、円とが規則正しく並んでいる。

星座円。時計。魔法陣。
真っ黒な草原に佇む自分は、
ただ、口を開けて眺めるしかなかった。

それ以降、明晰夢を見ていない。

Next