あの日君が隣にいた景色は、この世で最も綺麗だった。
それはきっと、
この先出会うどんな人にも生み出すことができないもの。
どんな名画や宝石も遠く及ばないほどの感動。
固く閉じた心をいとも簡単に染め上げてしまう儚い美しさ。
恋焦がれてしまうほど、奈落の底に落とされる。
あまりにも魅力的で、あまりにも遠い、
そんな記憶の中の景色。
___君と見た景色
もう一度好きになってなんてわがままは言わないから。
だから、もう誰も好きにならないで。
___叶わぬ夢
透明に透き通った水はただその美しさだけで輝く。
何色でもない、だからこそどんな色にもなれてしまう。
オレンジ、赤、紫。
そうやって色を足せば足すほど暗く濁った色に。
墨を一滴でもたらしてしまえば終わりね。
二度と元には戻れない、もうどんな色にも染まれない。
愛って、そういうものでしょ。
同じ水なら綺麗なまま、どんな未来も夢見ることができる。
でもそう、墨の誘惑に負けたら落ちるは永遠の闇。
何度でも自分を変化させ、
何色になることもできる自由な愛。
それともただその一色だけを深く望み、
何色になることも許されない縛られた愛。
どちらも運命的な出会いの中で生まれた愛情の形。
透明な輝きか漆黒の美しさ、あなたはどちらを選ぶ?
___透明
願いがひとつ叶うならば、どうか私を殺してください。
あなたの笑顔を曇らせてしまうぐらいなら、
私なんていない方がいい。
あなたに私の素顔を知られるくらいなら、
いっそ全て忘れて欲しい。
あなたの幸せさえ妬んでしまうような愚かな私を、
どうか許さないで。
___願いがひとつ叶うならば
私はあなたのためなら何もかも捨てられる。
求めるなら私の人生だって全部あげる。
あなたの言いなり、それでいい。
嗚呼、でもこの思いすらあなたには負担なのね。
これだけめちゃくちゃにしておいて、
私の存在一つ許せないのね。
私が抱く恨みも悲しみも、意味がないの。
だってどうせ、あなたには何も届かないんだから。
___嗚呼