かじかんで少し赤くなった私の手を握り、
慣れた手つきでポケットの中に入れるあなた。
それは優しさなの?
それとも…。
ううん、どっちだっていいわ。
これから向かう先があなたの家で、
明日になれば2人の関係性が変わってしまうと、
そう分かっていても
私はあなたと一緒にいることを選ぶんだから。
温かい部屋で並んでテレビを見る。
小さなこたつの中で足の先が触れあう。
平和でゆったりとしたその時間さえ与えてくれるなら、
もうなんでもいいわ。
ねぇ、今日はなんだかいつもよりあたたかいね。
___あたたかいね
私に初めて恋を教えてくれたあの人は、
少年みたいに素直でまるで太陽のように笑う人だった。
私に強くなる勇気と前を向くきっかけをくれた君は、
素っ気ないけどでも不器用に誰より愛情深い人だった。
そして私にいろいろな経験をさせてくれたあなたは、
お調子者でその存在一つで人を笑顔にできる人だった。
人を好きでいることは幸せなことばかりじゃない。
だけど出会わなきゃよかったなんて、
そんな風に後悔した恋はひとつもなかった。
だからきっと、恋って素晴らしいものなの。
"好き"
その感情ひとつで誰かのためにこんなにも輝けるんだもの。
たったそれだけの感情が未来の私を変えるんだから。
恋ってまるで未知の世界へ繋がる扉の鍵みたい。
___未来への鍵
冬の澄んだ空に輝く星のような君は、
人々を魅了し、時に狂わせてしまうほど美しかった。
みんなが君を求め手を伸ばす中で、
君に選ばれた私はきっとこの宇宙で1番の幸せ者ね。
だからこの幸せがあんなに儚く散ってしまうなんて、
想像もしてなかったのよ。
君が消えてしまった空に残った無数の星のかけら。
綺麗なものばかりじゃない、
だからこそ私の心に強く深く刻まれていく。
全部忘れて欲しいと、君がそう言ったのに。
君が無責任に残していった星のかけら。
私の宝物で、私の消えない傷。
___星のかけら
何もかも手にしているのに孤独な君。
魅力的なその姿の裏に隠している大きな傷。
可哀想なほど愚かでずるい君は、私に似てきっと弱いのね。
でも大丈夫よ。
君がどんな罪を犯しても、
お揃いの罪を背負って一緒に地獄に堕ちてあげる。
___君と一緒に
誰かと比べて自分が優れていること。
人に羨ましいと思われる人生を歩むこと。
私にとって幸せとは、
いつも自分じゃない他の人の視線の先にあった。
でもそう、君に出会って知った。
他人の存在に依存する幸せほど脆く弱いものはないと。
自分が本当になりたい姿さえ知らないまま、
みんなが憧れる何かを惰性で目指すことの不幸さを。
自分を嫌い貶し続けて得た強さは、
何ひとつ救ってはくれない。
だからこそ、自分を尊重する心を忘れないこと。
誰かにとってじゃなく私にとって、
いつも誇れる自分であること。
前に進むために必要なのは自分を否定することじゃない。
少しづつ、自分らしく変わること。
君が好きだと言ってくれた私を、
私は消してしまいたくないから。
幸せ、それはどんな時も自分を愛し成長させられること。
そして人の幸せを願えるぐらい強く優しい人であれること。
幸せとは、きっとそういうもの。
___幸せとは