百合

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4/1/2025, 1:56:00 PM

はじめまして

そう言われた時、喉の奥がヒュッと鳴った。
間違えてはいないはずだ、いや自分が間違えるはずもない。
自分に「はじめまして」と言った彼女は、黒髪ロングでにこりと微笑めば牡丹のように美しい彼女は、まごうことなく前世で自分が愛した女性だ。
彼女とは周りから祝福される関係ではなかったものの、深く愛し合った仲だ。彼女が亡くなる前、来世は何の障害もない世に生まれて一緒になろうと誓い合った仲だ。
そんな彼女が自分を忘れて挨拶と自己紹介を始めた。
初めてじゃない!名前なんか昔から知ってる!
そう叫びたかった。でも、叫べなかった。
記憶がなくても彼女を愛し抜く自信はあるし、振り向いてもらうように努力する気もある。
ただ、あの約束を、誓いを忘れてしまった彼女は今世で自分以外の男と幸せになるべきではなかろうか。前世の記憶に縛りつけるのはかわいそうではないか。

何故彼女の「はじめまして」は真っ新な「はじめまして」なのだろうか
今世では「はじめまして」の意ではないのだろうか

4/1/2025, 8:07:19 AM

またね!

そう言ったあなたはもう私の前に現れることはなかった。
喧嘩をしていなかっただけでも、返事を返しただけでも良かったと言うべきか。いや、良くない。いいわけがない。
私はあの日あなたの「またね!」にいつもの「またね」を返した。
当たり前に「また」が来ると思っていたから。
もし「好きだよ」「愛している」と付け加えていたならば私はこんなに後悔せずにすんだのだろうか。

3/30/2025, 4:15:10 PM

春風とともに

3月は天気が情緒不安定になる。
1月や2月のように完全に寒いわけでもないし、4月ほどに暖かいわけでもない。さらに花粉も相まって良い季節とは少し言い難い。
そんな3月もあと1日で終わってしまう。今日は一段と風が強い。今までのことを吹き飛ばしてしまうような、嵐のような風が吹かないと「春」はやってこない。逆に言えばもうすぐ「春」がやってくるのだ。
さあこの風とともに次は何がやってくるのだろうか

3/29/2025, 10:26:57 AM



自分の意思とは反してじわじわと目に襲ってくるものがある。溢すまいと上を向く。目を見開く。唇を噛み締める。
下を向いたら、目を閉じたら、何か言葉を発してしまったらきっと止まらなくなってしまうから。
それでも視界がじわぁと滲んできた。
駄目だ駄目だと言い聞かせながら、ぼたりと一粒だけ床に溢した。

3/28/2025, 3:42:42 PM

小さな幸せ

仕事で失敗をした日は自分が情けなくて、ムカついて、悲しくなってしまう。
それでも家事はしなくてはいけないからお風呂掃除をしてお皿を洗う。めんどくさいなあと思ってお皿を洗い終えると、ちょうど良いタイミングで「お風呂が沸きました」のアナウンスが聞こえた。
こんな些細なことだけど、今日の私には喜びを与えてくれる。つい「ナイス!今日やっぱり良い日かも!」と独り言を言ってみる。さあお風呂に入って嫌なことを洗い流してアイス食べよう。
いつもの事だけど、いつもより少し良い事だけどそれが毎日私に幸せを与えてくれる。

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