貴方は私に色々なものをプレゼントしてくれた。
アクセサリー、服、お誕生日ケーキ、お花……
どれも1つ1つに思い出があって、全部大切。
でも、今までにくれたものの中で一番大切なものは、形は無いし目にも見えない。
それは、愛。
お題#8:形の無いもの
ふと気が付くと真っ暗な空間に居た。漆黒で、虚無で、左右も上下も無い。手足を動かそうにも、まるで水中に沈んでいる時のように今ひとつ自由に動かせない。
(ここは何処?)
段々と心細くなってくる。
(ねぇってば!)
不安と焦りで涙が滲む。
それでも必死に出口を探そうとしていると、何処からともなく声が聞こえてきた。
「………──!!」
私の名前が呼ばれている。私が一番好きな声だ。
でも、貴方は何処にいるの?何処から私を呼んでいるの?
じたばたと藻掻いていると、突如光の筋が視界に入った。
「起きたな、大丈夫か。」
「……え?」
「随分とうなされていたようだが。」
そこには、汗でびっしょりになった私の額に優しくタオルをあてがう貴方が居た。
お題#7:声が聞こえる
秋が好き。栗やカボチャのスウィーツが好きなのは勿論のこと、過ごしやすいし、色付いた葉を見るのも好き。
「……寒いのか?」
「えっ?」
「……手が、冷えている。」
……くっつくのが心地良い季節だから。これも理由に追加で。
お題#6:秋恋
貴方がくれたもの。
シルバーのピンキーリング、
花の香りの香水、
小さなエメラルドのネックレス、
薬指の上に乗るダイヤモンド、
愛。
全部ぜんぶ、とっても大事なもの。
お題#5:大事にしたい
目が覚めた。身体に違和感を覚え、寝起きの頭で懸命に考える。君の頭に下敷きにされている左腕の感覚が、無い。
しまった、と思った。完全に寝てしまう前に解放してもらうべきだったと。
感覚を奪い去った犯人の顔を見た。安心しきった顔で、文字通りすやすやと眠っている。
物理的に時の流れを止めてしまえるような魔術はあっただろうか。……いや、さすがにそんなものは無いだろう。
このまま時を止めてくれるのであれば、この左腕の感覚なんて、いくらでもくれてやるのに。
お題#4:時間よ止まれ