shimotuki megumi

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6/2/2024, 11:53:34 PM

昔話や御伽話では正直者が救われるのに、
どうしてリアルではそれが逆なんだろうか。
嘘つきは他人の事なんて気にせず、自分に正直に生きてる。正直者は他人を優先した結果、自分に嘘をついて生きている。
リアルでは損な立ち廻りを任され、嘘つきの掌で踊り、踊り狂うまで。壊れるまで踊らされる。
自分が壊れる時を知らないまま。

責任をという役割を負わされ、いつか夢みるその日まで不遇だと感じながらも何も言わず踊ります。
その踊りは完璧で優美なものであってもそれを評価されることはないのです。

だって舞台袖では誰も見ていないのだから。

全てが整えられた、舞台で踊るのは嘘つきの方だ。
拙い踊りでも煌びやかな衣装と化粧でどうとでもなった。観客達はそんな踊りなど目もくれず、スマホを片手に自分に酔いしれてる。
舞台など大して見てもいないのだから、適当な評価で
正当な評価でもない。
適当な評価でも多数集まれば過半数で高評価となる。
それを真に受け、社会的評価が上がる嘘つき。

◆◆◆
正直者は自分の方が踊りが上手いことを自覚していました。ですがそれを言うことはできません。
それは嘘つきの方が評価されているからです。
正直者はとても傷つきました。
嘘つきの着た衣装も舞台も化粧も全て正直者が用意したからです。
正直者は言いました。「嘘つき、良かったね。これで皆に認められたね。」
嘘つきは言いました。「やっぱり私の才能があったからよ。」
正直者はもう何も言いません。いいえ、言えなかったのです。絶望と怒りでもう何も言葉など出てこなかったのです。

嘘つきはますます。正直者を見下すようになりました。正直者は自分の性格を曲げられず、怒りや憎しみを抱えながらも抑えこんでいました。
そうして、一つまた一つと完璧な舞台を整えてやりました。
嘘つきはさらに、要求を増やしました。
どんどん、どんどん。
正直者も意地になってその全てに応え続けました。

そしてついに、正直者は壊れてしまいました。
嘘つきは正直者がいないと舞台を整えることはできません。
だって今までやってもらっていたから。
嘘つきは仕方なく自分でやろうとしますが、正直者ほど上手くいきません。

嘘つきは言いました。「正直者のせいだ。私にやり方を教えてくれなかったから。」
そして嘘つきは周りに助けを求めました。
「正直者が勝手に全てを引き受けて、自滅したんだ。」そう周りに伝えたのです。

正直者は療養していました。そして風の噂でその事を知らされました。
「この、大嘘つきめ。」正直者は閉ざしていた言葉を吐き出しました。
離れても正直者を苦しめる嘘つきに酷く憎しみを覚えました。そしてまた立ち上がりました。

嘘つきは似たもの同士のウソつきによって助けられました。「かわいそうな嘘つき、僕が助けてあげよう。ところでいくら出してくれる?」
「助けてくれるなら、いくらでも。」

しばらくして、正直者は当時と見る影もない嘘つきを見かけました。
正直者は当時の怒りを忘れることはできません。
声をかけることもしませんし、関わりたくもありません。地位も名声もありませんが、ようやく自分を取り戻した正直者がそこにいました。

正直者は心中で罪悪感と葛藤しながらも自我が勝ち「ざまあみろ…」そう静か思ったのでした。



めでたし、めでたし。
とは言えない終わり、人との遺恨はそんなに割り切れるものばかりではないのだから。









5/29/2024, 2:30:17 PM

謝り癖がある。
すみません、ごめん。
面倒事を避けるために、自分が悪くないのに罪を被る。時には道化となり、馬鹿を見せる。
調子に乗った馬鹿共めと心の中で、嘲笑いながら。
我慢してる。

性格悪い、腹黒い。八方美人。
そんな言葉を浴びせる人はそれができないからだ。
確かにそう言われてもおかしくはない。
認める。

だけどこちら側からしたら、そちらの方がそう見えているということもお忘れなくね。

人は自分を否定できない、したくない。
他人のことは平気で否定できるのに。

5/29/2024, 8:33:25 AM

ストレスと夏と半袖と

5月の終わり、もはや夏。
衣替えの季節になった。
ゴールデンウィークの晴天と雨で
庭の草木は鬱陶しいほど覆い茂り
梅の木は青い実がなりている。

あっという間に春が終わってしまって、少し寂しい気持ちになる。
梅雨がやってくると湿気の混じった空気がなんだか気持ちが悪かった。
たった一月の間にこんなに気持ちが泳がされるのだ。
5月病にもなるし、疲れもする。
ぶっ飛んだ自律神経を調整するにも時間とコツがいるとさえ思う。
そんな日常にすら、小さなストレスを感じるのは人間も動物も同じだろう。

「ストレスを感じた事がない」
そういう人間がいる(いた)。

その人は生きていて今までにストレスを感じた事がないという。
私は信じられない。
例えば…満員電車で背中をぎゅうぎゅう押され、隣の人の体臭がきつかったりしたら?
自分のせいじゃないのに濡れ衣きせられたら?
挨拶されて無視されたら?
これは大抵の方がストレスだと思うのだが。

この人はそうではないのだという。
おそらくは虚勢だとは思うが、日常生活の不可抗力みたいなストレスさえ感じないのが本当だとしたら。

幸せな人だな。と思う反面。
可哀想な人だな。と思った。そして納得した。

この人の言葉選びのずさんさはここから来ているのだと。他人へこの言葉を言ったら嫌な思いをする。
きつい言い方。嫌みともとれる小馬鹿にしたような言い方。
そういう言葉選びがわからず、平気で通り魔のように傷をつけていく。
鈍感過ぎるとも違う、最初からわからないのだ。
場面での空気がわからない。
その人にとっての正解は一択。自分のみなのだから。
そんな大人がいるんだ、小さな子供だって場の空気を読むこの時代に。
どおりで狂っていってしまうはずだ。
季節も世界も。病気にかかっているようだな。と

今日は暑かったから半袖をだした。
外に出たら少し肌寒い。

その人からしたら、その変化すらもわからないのだろう。
私は今日も一つその人からストレスをもらったというのに。





5/28/2024, 12:36:36 AM

天国と地獄のテーマで神秘的なファンタジーを書こうかなと思ったけど。
真っ先にイメージが湧いたのは運動会のあの曲だなと思った。

オフの日はついつい疲れを言い訳にダラダラしがちになってしまう。
YouTubeでやる気の出るクラシックと検索するとたまたまメドレーの中に入って流れてきた。

あれが流れると、かき立てられる。
頑張れと応援されるわけじゃなく、動かざるを得なくなる(超個人的な意見です。)
家事も早く終わる気がする。あと終わらせた後の達成感とか。

たまにはこういうのもいいかなと思うのであった。

5/26/2024, 7:08:31 PM



赤月はじんわりと夜空に滲んだように曲線が呆けて見える。一等星よりは輝かないが、存在感がある。

赤い月はまるで呪いのようだわ。
白く眩く輝く月とは違う、毒のように空へ溶け込む赤い月は私達の世界のようだ。

洗練された姿の裏側にはもう一つの姿がある。
幾重にも重なるマイナスな事象が毒を溜めていき
そうして完成された同じものの違う姿。

どちらも本当の姿。
自分の毒で傷付く呪いが蝕む、呪いが解ける方法はあるのか。

わからない、でも。
それを願おう、私達からその呪いが消える未来を。

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