人生は旅と同じだとよく言われる。
山を登り、谷を下り、時に回り道をさせられたり、壁によってその道を断念したり。
それらは全て経験であり、何一つ無駄なものはない。
後々自分の役に立つのだと。
だから、しっかり自分の道を歩んで行くのだと。
今、自分の歩いてきた道を振り返ってみる。
お世辞にも綺麗な道ではない。
回り道ばかりで効率が悪く、少し行っては諦めて、中途半端な行き止まりになったところがたくさん。
今だって、本当にこの道に行きたかったのかと問われると自信をもって言えない。
いろんなものを諦めて、妥協してきた道のように思う。
このまま行ったその旅の果てはどんなものなのだろう?
本当にこのままでいいのか?
でも、今から変える度胸もない自分は今日もこの妥協の道を行くのだろう。
人生が終わる時、自分はその旅路の果てで何を思うだろうか。
「こんにちは!お届けものです!」
今日も僕は荷物を誰かに届けている。
北へ南へ、西へ東へ。近くから遠くまで。
僕たちは、ただ荷物を届けているわけじゃない。
その荷物には、依頼主の届け先の人への気持ち、心が込められている。
『元気にしていますか?』
『大好きだよ』
『頑張って』
『見守ってるよ』
そばにはいられない代わりに、荷物にありったけの真心、愛情を詰め込んで僕らに託す。
託された僕らはどんなガラス細工よりも丁寧に繊細に扱って責任を持って運ぶ。
人の心と心を繋ぎ止める、または一度切れた心の糸を再び繋げる大切な仕事。
責任重大だし大変ではあるけど僕はこの仕事が大好きだ。
だから今日も僕は運ぶ。
誰かの思いを、まだ見ぬあなたに届けたい。
《縁結びの運び屋》
「・・・月が、綺麗ですね。」
静寂に包まれた夜。
丘の上は君と僕以外誰もいない。
初めて会ったその時から、君に惹かれていた。
キラキラと輝いて、優しく明るい君。
どんなことにも全力投球、真摯に向き合う姿勢が格好いい。
たまにドジ踏んでしまうことも君が完璧ではなく、人間なのだと思わせてくれてより愛おしくなる。
話しかけるまでに随分かかってしまった。
言葉もあまり上手く言えていなかったかもしれない。
それでも、君は眩しいくらいのあの笑顔で答えてくれた。
会話を重ねて、一緒に行動する機会が増え。
そして、今、ここに立っている。
でも、臆病な僕はその気持ちをはっきり言う度胸が無かった。
だから、かの文豪の言葉を借りてしまった。
君は、気づいてくれるだろうか。
もう、君しか見れない。君のことしか考えられない。
心が君だけでいっぱいでとめどなく想いが溢れてくる。
君は一瞬キョトンとした顔をした。
その後、少しだけ顔を紅くしたように見えた。
その顔に僕の心臓は更に鼓動を上げていく。
僕の気持ちの行方は、月のみぞ知るーーー
『I Love・・・』
さぁ、街へ行こう。
お気に入りの服、靴、小物、アクセ、髪型。
全てを自分の好きなもので身に纏い、日々のしがらみから完全に解放されて軽快に歩き出そう。
今だけは何も厭うことなく、縛られることなく、自分の欲望に忠実に、我儘に!
アレもこれも食べたり飲んだり。
小物やアクセも買っちゃおう!
気になっていた商品は衝動買いOK!
買い物や食事を楽しんだら、次は映画?それとも小さな展覧会?本屋に行っていつもと違うジャンルの本でも読んでみようか。
今日は今まで頑張った自分へのご褒美DAY。
思いっきり甘やかして癒してあげて。
そしてまた、仕事や勉強に気合を入れよう!
他人と馴染めなくていつも1人だった。
好きなもの、ハマっているもの、興味あるもの、全部みんなと違う。
流行り物はどうしても関心がない。
みんなと話が合わない。
だから、班行動も気まずくて、旅行だって楽しめない。
気にする必要はないのだけど、やっぱりどこか居心地が悪かった。
自分が良かれと思ってやったことを笑われたことがあってそれ以来人と付き合うのが嫌になった。
だから、君との出会いはまさに私にとって運命だった。
君との話は楽しくて、一緒にいるだけで、自分はここにいていいと思えた。
私を否定しないで、でも、必要な苦言も言ってくれた。
おかげで、成人した今もなんとか社会生活を頑張れている。
君の優しさのおかげで私は惨めにならずに済んだ。だから、今度は私が同じような人に寄り添う番だ。
同じようにできるかわからないけど。
『優しさのリレー』