これは、ずっと昔の話だ
、
俺は生前、大罪を犯した
そんで死んだ時、地獄に似た、何処かにいた
そこは凍えるような寒さだった
ずっとこんなところにいたら、もう死んじまうくらいだった。
だが、生前にあんなに大罪を犯したんだ、当たり前の処罰だと俺は思った
ふと、今までしてきたことを思い返すと
涙が出てきた。
あまりの冷たさに、涙すらも氷と化してた。
で、そんな時によ、あっちの方で明かりが見えたんだよ
オレンジ色にフワッ、って、なってよ
そんでよ、その明かりを見てたら
物悲しくなってきたんだよ
走馬灯みてぇに、今までのことが思い出されてよ、
今までしてきたこと、俺は全部バカみてぇだなぁ、って、
それでうつむいてたらよ、
急に体が温かさに包まれたんだ
顔を前に上げると、俺の目には明るい灯火が映った
でよ、その灯火の一つ一つ、全てが俺を包んでくれたんだ。
「ありがとう」って
なぜ俺がそんなことを言われるのか不思議に思ったんだ、
そしたらさ、色んなありがとうって言葉があった。
産まれてきてくれてありがとう、
助けてくれてありがとう、
遊んでくれてありがとう、
「生きててくれてありがとう」って、
沢山の、「ありがとう」が、
俺の目からは不思議に、大粒の涙が溢れ出た
止まらなかった
その「ありがとう」という言葉に救われたんだ
すると、俺は明るい光に包まれ、
目覚めた
眼の前には、誰かがいた
「生きてたぁ、。。よかった、。。」って泣いていた
この人達は俺がよく知っている人だ、
「家族」
これまで大罪を犯したっちゅうのに、
こんなに泣いて、心配してくれるなんて、
普通じゃありえねぇ、
俺はそこで初めて、「生きてて良かった」って思えたんだ
俺はその、
明るく、温かみのある
その灯火に触れた
、、、
俺はいつまでも、この事を忘れることはないだろう
「灯火」
「死にたい」
君からそうLINEの通知が来た
驚いてしまった、
あの君がそんな事言うなんて
どうかしちゃったんじゃないかって
君は、
皆から好かれているし、容姿も凄く綺麗だし、なんでもできる。。。
君は憧れの人だ。
そんな君が、「死にたい」というなんて予想もしなかった。
でも、LINEは既読をつけたくなかった
憧れが憧れじゃなくなってしまいそうだから、
そのまま今日はLINEを開かず眠った、
朝、学校に行くと、
みんな悲しそうにしていた
どうしたの?と声をかけたら
「あの子、自殺しちゃったんだって」
って言った。
一気に血の気が引いた。
昨日、君のLINEを開けば君は自殺せずにすんだのかな、
君のLINEを開いたら、
もう一件メッセージがあった
「誰のせいでもないから、」
って、
その瞬間、体が硬直してスマホを落としてしまった
その後は一日中、ほとんど何も考えらなかった
これでまた輝きを失った
「消えた輝き」
不完全になってもいいのか、
そう自分に問いかける
だけど、悲しそうな家族の顔が浮かぶ
だからいつも、「不完全な自分」
で合ってはならないんだ
期待に応えなくては、と
思ってしまう
だけど、一人だけ不完全な自分をさらけ出せる人がいた
それはお祖父ちゃん
お祖父ちゃんは、親とは違って、少し頑固というかなんと言えばいいのか、ちょっと変わってるんだ
だけど、とっても優しい
お祖父ちゃんは、よくこう言ってた
「不完全なままでいい。どんな物でも絶対に欠けないことはない。いつか必ず欠けてしまうものだ。」
だから大丈夫だって、
そう、いつも教えてくれた
お祖父ちゃんの話を聞くたびに、世界が広く見えてくる、暗い気持ちも引いていくんだ、
そんなお祖父ちゃんが、大好きだった
ーだけどある日お祖父ちゃんは亡くなったー
両親は、お祖父ちゃんのお葬式から帰ったあと笑ってたんだ、「あの人が死んで、よかった」って。
そんな話をしていた両親に、怒りが込み上げてきた
今まで怒ったことなんてなかった
だけど、こればかりは、、
その時、両親は自分に気づいたようで
少し、焦りながら、「ほら、勉強でもしてなさい。」とか今のことなんて何でもなかったように言った
、ごめんね。お祖父ちゃん
何も言えなかった
怖いんだ。どう思われるか、って
そう、お祖父ちゃんとの写真をみながら
一晩中、すすり泣いた
ーごめんね、って
『お祖父ちゃん』
母がつけていた香水が、
私は一番好きだった
なぜなら、母の匂いだから
慣れ親しんだこの匂い
今でも鮮明に母を思い出せる
香水、その中で私は薔薇の香りが
苦手です
なぜかって、、
『母が死んだのは薔薇の香りのせいだから』
私には、父がいませんでした
私が生まれる前に離婚したそうです
遊び人な父を母は、よく嫌いだっていってたんです
その父は、よく帰って来たときに『薔薇の香水』のかおりがしたんだって、母はいってました。
泣きながら、。
結局、母は死んじゃったんですけど、
私的には、薔薇のせいで母が死んでしまったと思うんですけどね、一体、なぜ母は死んでしまったのでしょうか、。
ー薔薇の香水
どんなものにも、答えなんて言葉はない
ただ、そう教えられた、使い勝手がよいから
それだけ
…