これは、ずっと昔の話だ
、
俺は生前、大罪を犯した
そんで死んだ時、地獄に似た、何処かにいた
そこは凍えるような寒さだった
ずっとこんなところにいたら、もう死んじまうくらいだった。
だが、生前にあんなに大罪を犯したんだ、当たり前の処罰だと俺は思った
ふと、今までしてきたことを思い返すと
涙が出てきた。
あまりの冷たさに、涙すらも氷と化してた。
で、そんな時によ、あっちの方で明かりが見えたんだよ
オレンジ色にフワッ、って、なってよ
そんでよ、その明かりを見てたら
物悲しくなってきたんだよ
走馬灯みてぇに、今までのことが思い出されてよ、
今までしてきたこと、俺は全部バカみてぇだなぁ、って、
それでうつむいてたらよ、
急に体が温かさに包まれたんだ
顔を前に上げると、俺の目には明るい灯火が映った
でよ、その灯火の一つ一つ、全てが俺を包んでくれたんだ。
「ありがとう」って
なぜ俺がそんなことを言われるのか不思議に思ったんだ、
そしたらさ、色んなありがとうって言葉があった。
産まれてきてくれてありがとう、
助けてくれてありがとう、
遊んでくれてありがとう、
「生きててくれてありがとう」って、
沢山の、「ありがとう」が、
俺の目からは不思議に、大粒の涙が溢れ出た
止まらなかった
その「ありがとう」という言葉に救われたんだ
すると、俺は明るい光に包まれ、
目覚めた
眼の前には、誰かがいた
「生きてたぁ、。。よかった、。。」って泣いていた
この人達は俺がよく知っている人だ、
「家族」
これまで大罪を犯したっちゅうのに、
こんなに泣いて、心配してくれるなんて、
普通じゃありえねぇ、
俺はそこで初めて、「生きてて良かった」って思えたんだ
俺はその、
明るく、温かみのある
その灯火に触れた
、、、
俺はいつまでも、この事を忘れることはないだろう
「灯火」
9/2/2023, 10:33:07 AM