朝学校に向かう
玄関を出ると乾いた風が頬にあたる
空気は冬の匂いがする
雪が降るのももう少しかもしれない
雪が降る前までは美化されてる冬を
もう少し楽しみたいと思った
とある少女は言いました
私の母は貴族だった、と
でも駆け落ちをして遠く離れた街で暮らした、と
私はいわゆる貴族の娘
結婚する相手も貴族
婚約者だって決められている
でもたまにしか会えない婚約者よりも
身近な執事のことを好きになった
あなたと一緒にいたいと何度も言った
執事は何度も断った
もしバレたらあなたとは一生会えなくなる、と
私はそれでも良かった
一瞬でもあなたが私だけを見てくれるなら…
私が駆け落ちしたところで妹がいるから大丈夫
弟もいるから後継者だっている
私一人が執事と居なくなるだけで困ることはない
だから私と一緒にいて欲しい
職業は逃げた先で決めればいい
しばらく暮らすお金ならある
と何度も何度も話してみた
結局はタラレバの話
半ば諦めていた
12月、私の誕生日が来た
友達や親戚などからたくさんのプレゼントが届いた
執事はプレゼントを運んで来た
一つだけ手に抱えて
手に抱えていたのは執事からのプレゼント
中にはウィッグとメイドの服
はっとして執事を見る
「私と一緒にいてくれますか?」
返事は決まっていた
私の誕生日の1週間後
私と彼は裏の門をくぐって敷地から出ていった
追っ手は来ていなかった
それから私たちは結婚した
可愛い子供も授かった
幸せな家庭を築いた
もう思い残すことはなかった
強いて言うなら娘の花嫁姿を見たかった
そう言って目を閉じた
とある少女は言いました
母はとても素敵な人だった、と
そんな母に今日という日を迎えて欲しかった、
花嫁姿を見せたかった、と
君が事故にあって死ぬ夢を見たんです
僕はその瞬間を見てはいないけれど
君の職場から電話がかかってきて
事故のことを伝えられた時は怖くて仕方がなかった
君は病院に運ばれる前に息を引き取った
カーテンが半分くらい空いている君と僕の家で
僕だけが泣いている
そんな夢だった
馬鹿げた夢だよね
君が死ぬはず無いもの
今見てるこれだってきっと夢なんだ
僕は少し高いところから君を見ていて
君は一人で泣いている
きっと…きっとこれだって夢なんだ
夢を現実だと思って首を吊るなんてしないから
僕はそんなこと…してないはずだから…
君と約束したんだ
ずっと友達でいようって
でも君は裏切った
裏切ったとまではいかないかもしれないけれど
僕は裏切られたと思った
人に僕のことを売ったり
平気で嘘をついてくる君
ごめんね
約束守れなくて
友達のままでいたかった
いつから壊れてしまったんだろう
あっ、これ以上近づかないでください
パーソナルスペースに侵入されては困ります
あいつは良かったのになんで自分はダメなのかって?
そりゃ貴方とあの人は親密度が違うので
あっちは80%くらいで
貴方は30%にも満たないくらいですかね
いやぁ、すいません
ワタクシパーソナルスペースが広いものでして
侵害されそうとなれば離れたくなります
3LDKくらいの広さはあるかと
なので今回はお引き取り願います
さようなら〜👋