恋の方程式
よく聞く言葉ですよね
授業なんかじゃ取り扱わないし
取り扱ったとてわかるものじゃないし
わかっても特に何かある訳じゃないし
片思いしてる時、あれだけ知りたいと思っていたのに
いざ分かりかけてみると知りたくないと思ってしまう
人間は恋愛脳なもので
ささいな出来事でさえ
何かと恋だ愛だと騒ぎ、茶化す
自分だけ知れるとかなら
知っていてもいいかもしれないが
他人も知れるのなら永久に解は出なくていいと思う
そんな人生において
高校生においての最大の問い
文系の方が有利なのかもしれない
誰もいないはずだった教室
お昼ご飯を食べようと空き教室に来たら君がいた
真っ黒で直毛な髪に長い足、綺麗な横顔
羽でも生えてるんじゃないかと思った
「やば、めっちゃイケメンじゃん」
『ありがと、ってか誰?』
やや低い声もまた魅力的だった
「俺A組の成瀬」
『お前同じクラスなん?知らなかったわ』
同じクラス?こんな奴いたら女子たち見逃さなくね?
『まぁいつも寝てるししゃーないか』
いつも寝ているやつは橘しかいない
だけどあいつはいつも前髪で顔を隠しているはずだ
「お前橘?」
『おん、成瀬飯食おうぜ』
「おう」
橘と話したことなかったけど案外良い奴かもしれない
この考えが全くの見当違いだったことに気がつくのは
また別の話
学校の作文などで一度は聞いたことがあるお題
この歳になっても未だに最適解を見つけられずにいる
鼻炎が酷いからティッシュがいいのではないか
と思った時もある
目が悪いから人間離れした視力がいいのではないか
と思った時もある
なんでも出来る友達を連れていくという手もある
とも思った
何が正解とかがないから
このお題は重宝されているのだろう
いつか友達にも聞いてみたい
体育のあとの教室
ボディシートの匂い
桃とかシトラスとかが混ざって絶妙に臭い
でも密かに香るムスクの匂い
それだけは嗅ぎ分けることができる
気持ち悪い?
僕もそう思う
でもムスクの香り好きなんだ
落ち着く匂いがする
誰の匂いかは分からないけど
次の授業は...古典か
あまり得意じゃないんだよなぁ
みんな寝るし...
チャイムと共に号令がかかる
20分後
ほとんどの人が寝ている
こんなに寝ていて大丈夫なのかと思う
無論隣の席の人も寝ている
窓が空いているから秋らしい冷たい風が吹いてきた
この前までめちゃくちゃ暑かったくせに
もう鳥肌がたつくらい寒い
冷たい風と共にムスクの香りがした
ムスクの香りあんただったのか
男が好きな匂いは共通なのだろうか
隣の席の男からムスクの香りがした
『女子だったら良かったのに...』
「ここテストに出るからな〜」
先生の大きい声で授業中だったのを思い出した
友達の定義ってなんですか?
私にはよく分かりません
勉強みたいに答えがないからとても難しいと感じます
答えがあればみんなと同じようにできるのに
なんで答えを誰も出してくれないんですか?
提示してくれないんですか?
友達の定義さえ分かれば
あの子を傷つけることも
自分を偽ることも
意見を言えなくなることも
全部なかったはずなのに...
なんでですかね
涙が溢れそうなのに
人を傷つけてしまった罪悪感があるのに
私は泣けません
泣きたいのに
気持ちは泣いているのに
なんでですかね
隣の席の人言ってました
『人の感情が関わることには答えがないことが多いけど、人によって答えが違うから美しくて難しい、だから定義ができないんだよ』
って
わかるようで分からない
彼女は頭がいいから
私みたいな阿呆には分からないような説明だった
でも彼女と話してると自然と落ち着く気がする
こういうのを私は友達と呼びたいと思ってしまった