私はあなたが好きだ
たとえあなたが私ではなく私の友達を見ていても
私はあなたに恋している
僕は君が好きだ
君はいつも僕が知らない誰かを見ている
君は笑顔でその人のことを話すからつらい
でもそんな君が好きだ
三角でもないこの関係の瞳たちはすれ違ったままだった
あなたが好きだった
完全に私の片思いだった
思いを伝えようなんて
一瞬もよぎることがなかった
ただただ好きだった
あなたと私は来月から別の学校だから
今日はしっかり見納めないと
何かあったでもなく終わった私の恋は
青すぎる春だった
君がいなくなって1年とちょっと経った
長かったような短かったようななんとも言えない時間が経過していた
君と私は甘党だから毎月新しいカフェや喫茶店を探して2人で食べに行った
君がいなくなってからは心に空白ができたようだった
その空白を埋めるように君との甘い思い出を紅茶に溶かして私は今日もケーキを頬張る
あの日は風が強かった
あの人に気持ちを伝えた日
私の恋が終わった日
ずっとずっとあの人が好きだったから辛かった
あの日から心の傷は癒えていない
そんな私に声をかけてくれたのは話したことの無い君だった
君はギャン泣きしてる私がやばい人だと思って声をかけたらしい
話を聞いてくれる人が欲しかったから
君に全てを話した
親身になって聞いてくれた
心が軽くなった気がした
君は「何かあったらいつでも話を聞くよ」と言ってくれた
恋の始まりを告げる爽やかな風が吹くときにまた君に話を聞いてもらいたいと思った
私の失恋の幕が静かに降りようとしていた
今日は高校の合格発表だ
ドキドキしながら家を出る
高校まで心が持たないかもしれない
体内のありとあらゆるものが口から出ていきそうだ
ぐちゃぐちゃな感情を抱えたまま高校の前についた
深呼吸をしながらゆっくりと掲示板の前に行く
自己採点のあの点数は合格点に達していたと思う
恐る恐る前を見る
自分の番号は...
あった
顔のニヤケが止まらない
嬉しい
頑張った甲斐があった
進路のことを真剣に考える経験がなかったからあの時期はとても大変で苦しかった
これからも考えないといけないけれどとりあえずほっとした
満面の笑みで両親に報告する
努力が実った瞬間だった