鉛筆の濃淡で光と影を描きわける
今見えている世界を白黒で描き上げる
光の当たる部分と、影ができる部分
白と黒 光と影
今見ている世界を 新しい視点で認識する
『光と影』
『そして、』
二人は旅を続けました
いろいろな世界を見ました
燃える木の生い茂る森 陸を泳ぐ深海魚
水晶の船に乗ったり 雲の形をした馬に揺られたり
二人はずっと一緒でした
世界の中心は二人で
二人は世界の中心でした
動かない 喋らない 音に反応することもない
それでも
真夜中ベッドに潜り込むとき
泣いていても怒っていても苦しくても
こちらがどんな感情をぶつけても
隣で微笑み続けるぬいぐるみは確かに愛である
『tiny love』
ようこそ遠くからおいで下さいました
ささ、まずはお荷物をこちらへどうぞ
お部屋に運ばせていただきますね
お客様はまずはご一服いかがですか?
お茶もお茶菓子もございますよ
おや? それよりも温泉ですか?
ははぁ、確かにここの温泉は有名ですが、ふふふ
みなさん、『まずは温泉に』と仰るんですよ
いえいえ、ぜひどうぞ
その間に、お食事のご用意をさせていただきますね…
『おもてなし』
やあやあ、今日も美味しい食事にありつけた
『秘境の名湯・一日一名様限り』って書いておけば、勝手に向こうから探して来てくれるんだもんな
いやいやありがたい
人間にも良い部分があるもんだ
物語に触れ、心を揺さぶられた
あの時から、心に灯った焔が消えない
最初はマッチよりも小さく、明かりとしての役割なんて果たせないような大きさだった
しかしそれは、少しづつ大きくなっていく
どんなに辛くとも苦しくとも
自分ではどうしようもない嵐を耐え忍ぶ渦中にあっても
それは消えない
風に煽られて高く燃え上がることもあれば、
雨に打たれて今にも消えそうに弱々しくなることもある
けれど、ずっと燃えている
『私の中にある言葉を、想いを、物語を、どうか形にしなければ!!』
あの日の小さな種火は、今でも消えずに燃え続けている
『消えない焔』