1/16/2023, 11:54:06 PM
心が清らかとか光を受けた宝石が輝いてる時とか。
感情だったり物質に対してだったり、きっと誰にでも思う瞬間がある。
「何を考えているんだい?」
私だけを映す彼の瞳は、輝いてもなく清らかでもなく、奥底にほの暗い何かと熱が渦巻いていた。
その危うさを孕んだ彼の瞳は『美しい』
魅入ってすっかり虜になった私の頬を彼の手が撫でた。
1/14/2023, 12:24:43 AM
夜か朝か分からない、薄暗がりのなか目が開く。
夢を見て起きるなんて珍しい。内容は…なんだったか。冷や汗、嫌悪感がないから悪夢ではなさそう。心がぽかぽかしているから好きなものに囲まれていたのかも。
時間を知りたいような、でも知ってしまったら残りの時間を逆算して後悔しそうで。
時の感覚を掴みたくなくて枕元に置いてある時計を見ることはしなかった。
『まだ夢を見ていたい』、と。
シーツを頭まですっぽり被って目を閉じた。命令したのは頭か、心か、あるいは両方。
だんだん明るくなって忙しなく動き出す世界とは逆に、真っ暗な視界にゆったりな空間はまるで別世界。
寝る間際に見ていた夢を思い出して、ふふっと笑う。
もう少しだけ続きを見せて。
遠くにいる恋人との幸せな夢を。
1/11/2023, 2:03:24 PM
『寒さが身に染みて』
待ち人は遅れているらしい。
コートのポケットに手をつっこんで外気から守っていたが、元気な風が隙間から入り込み侵食されはじめている。
こぶしをつくって、ひらいて、動かすもじわりじわり。このままだと指先から凍えてしまう。
冷えた手で驚かせないように、自販機であたたかい飲み物のボタンを押した。うっかり彼女の好きなミルクティーを買っていて、もうすぐ会えるというのにぬくもりが恋しい。
体だけじゃない。
寒さが心にも染みているようだった。