夜か朝か分からない、薄暗がりのなか目が開く。
夢を見て起きるなんて珍しい。内容は…なんだったか。冷や汗、嫌悪感がないから悪夢ではなさそう。心がぽかぽかしているから好きなものに囲まれていたのかも。
時間を知りたいような、でも知ってしまったら残りの時間を逆算して後悔しそうで。
時の感覚を掴みたくなくて枕元に置いてある時計を見ることはしなかった。
『まだ夢を見ていたい』、と。
シーツを頭まですっぽり被って目を閉じた。命令したのは頭か、心か、あるいは両方。
だんだん明るくなって忙しなく動き出す世界とは逆に、真っ暗な視界にゆったりな空間はまるで別世界。
寝る間際に見ていた夢を思い出して、ふふっと笑う。
もう少しだけ続きを見せて。
遠くにいる恋人との幸せな夢を。
1/14/2023, 12:24:43 AM