【世界の終わりに、君と】
降り続く雨の中、僕は君と最後の街角に立っていた。
朽ち果てたビル群が灰色の空に溶け込み、遠くの地平線にはもう希望の光など見えない。
君の手を握りしめ、その温もりを感じながら、僕たちは言葉もなく互いの瞳を見つめ合う。
すべてが終わるその瞬間に、僕たちはただ一つの真実を知っていた。
それは、世界が終わろうとも、僕たちの愛だけは消えないということ。
静寂が訪れ、全てが闇に包まれる中、僕は君の耳元でそっと囁いた。
「ありがとう、愛してる。」
そして、僕たちは永遠の眠りに落ちた。
最悪
ぱちんこで7万負けた。今月の家賃払えんな。
誰にも言えない秘密
中学校からの付き合いである大切な親友の結婚式が、今日この日、盛大に執り行われた。
彼女は無数の祝福の言葉に包まれながら、幸せそうな笑顔を浮かべている。
その姿は、まるで純白の椿の花が咲き誇るかのように、清らかで美しかった。
(……好きだなぁ)
その言葉は口にすることなく、私の心の中に深く沈んでいった。
この思いは誰にも打ち明けることはない。
彼女に伝えることもなければ、誰かに相談することもない。
ただ私の胸の奥にそっとしまっておく恋心。
彼女の幸せを祝いながら、私は自分の秘めたる思いを静かに見送るのだった。
狭い部屋
ぼやけた視界の中、毎日僕に話しかける声が聞こえる。
愛しそうで、どこか楽しそうな男の人と女の人の声。
僕はその声が大好きだ。
…でもそんな声が今日は少し寂しそうに聞こえた。
手を伸ばせばすぐ届くような狭い部屋の中。
(僕がいるよ!)
そんな思いを抱きながら僕は必死に足を伸ばした。
「あっ蹴った!!」
大好きな女の人の嬉しそうな声と
「また分からなかった…うう、次こそは触るぞ!」
大好きな男の人の残念そうな声に安心して
僕はまた狭い部屋の中を揺蕩うのだ。
失恋
優しくてかっこよくて、大好きな先輩。
毎日毎日ずっと見ていました。
でも、ある放課後。
先輩が知らない女の人と歩いてる所を見ました。
私の知らない笑顔で先輩はその女の人に笑いかけてました。
そこには、私の知らない先輩がいました。
近くでオレンジの実がぐしゃっと潰れた音がしました。