創作)7話
宗乃さんがやっと帰った。
彼女が何者なのかはまだ分からないままだ。
でも流麗の友達でないことは確かだ。
そうなると、ずっと嘘の話をしていた事になる。
すべて嘘なんだと考えながら宗乃さんの話を思い出すと
ゾッとする。「前、一緒に遊園地に行った時ー」とか、
「流麗はお金より大事なものに気付かせてくれたー」
とか…
「まぁでもお金より大事なものって言うのは分かる。
流麗や家族、それと…、いや、それは違うか。
お金より大事………でも気付けたところでお金は
必要じゃん。お金より大事って人とか物とか、
その大事なものがあれば、居ればお金はいらないって事?
その人が居てもお金は必要……だよね、、、
はぁ〜、私馬鹿だからやっぱ分かんないわ〜。
こんな時、流麗がいてくれればなー。」
そう考えてる内に席を外していたお母さんが戻って来た。
お母さんに色々聞かれた。宗乃さんの話、すべて嘘なんだ
って事は言わずに、宗乃さんが言ったこと覚えているだけ
話した。
でもお母さんが聞いたところで何になるんだろうか。
創作)6話
私は宗乃さんに
「流麗とお揃いで買ったんです」
と言われながら手袋を貰った。
「流麗の代わりに使って下さい」
と、言われながら。
それから、宗乃さんと私は流麗について色々話合った。
沢山流麗に優しくされたこと、流麗と出掛けた
数々の思い出を話し、聞いている内に涙が出そうに
なったが、全然出なかった。
私が自分で「泣きそう」って思う時は
必ずと言って良い程泣いてるのに。
何だろう…この…違和感…
ずっと泣きそうなのに涙が出ないし、
しかもずっと、涙の量がだんだん増えるような話を
宗乃さんはずっとしているのに。
それに、流麗は生前、
「__はやっぱ一番の友達だ!!
__以上の友達は居ない!」
って、いつも私に言ってくれた。
流麗は嘘なんて全然ついたこと無いのに
私以上に流麗と話して、遊んで、やり取りを
しているなんておかしい気がした。
"いや、これは宗乃さんじゃなくて私がおかしいのかも。
流麗は私の知らないところで嘘をついていても、
何をしていてもおかしくないのに
こんなに考えてしまう私が…おかしいのかも。"
そう思ったものの、やっぱり宗乃さんが
おかしいんだと気付いた。
この人と居るとイライラしてくる。
こんな人に貰った手袋なんていらない、と
帰ったらすぐ捨てようと思った。
たとえ、流麗が使っていた手袋でもいらない、
と、強く思った。
創作)5話
ある日、私が住んでいる家に誰か来た。
それと同時に母が私を呼ぶ声がする。
その人は母に私を呼ぶように頼んだようだ。
私に会いに来る人なんて滅多に居ないから一階へ行った。
訪問者の名は牧田 宗乃(まきた その)だという。
話を聞いていると、彼女は流麗の親友だという。
彼女も私と同じように流麗が亡くなったショックで
数ヶ月間外に出れなかったようだ。
創作)4話
流麗が亡くなって一年が経った。
私はそのショックから未だに立ち直れていない。
流麗が亡くなった時から、私はひきこもりになった。
親ともまともに話せていない。
流麗は高一で亡くなり、私も高校を中退した。
たまに私の部屋に遊びに来ていた人もいじめっ子に
なったらしい。
ちっとも太陽が見えなく絶望的だ。
創作)3話
今日は流麗と遊んだ。
とっても楽しかった。流麗と話して居ると、
もう自殺はやめるらしい。
その翌日、一本の電話があった。
どうやら、流麗が亡くなったようだ。
昨日の夜、帰っている時に、刺されたようだ。
刺したのは、ストーカー。
つまり、彼氏だった。
彼氏は何日か逃走して、捕まったらしい。
彼氏は殺したことを認めた。
そして、
「彼女は、刺した時まで澄んだ瞳だった」
と、言ったらしく、私は
「もう自殺はやめるって言うのはホントだったんだ」
って泣いてしまった。