星が輝く真夜中。
薄らとした路地に現れるのは
うさぎの耳やしっぽが生えた
白髪の少女。
うさぎの少女はどういうわけか
夜中にしか姿を見せず、
目を離せない程、煌びやか。
毎夜毎夜うさぎの少女は
白雲峠へ行っている。
狐に似た人や
猫又に会っているのだろう。
あの峠は不思議な人達が
いつも集まっているからな。
ネブラスオオカミとも
仲良くやっているのだろう。
さて、
そんなうさぎの少女は
何をするために、
何のために現れるのか。
それは金や値が高くつくものを
奪うためだと言われている。
が、しかし。
巷の奴らの噂は
当てが外れるどころではない。
うさぎの少女は
居場所を求めて探し回っているのだ。
朝や昼間は月に、
夜は地球にいる。
月には
うさぎの少女に居場所が無いのだ。
皆うさぎなのに、
自分だけうさぎモドキで。
月にいる獣人は、
昔から大変な思いをしてきた。
特にうさぎは寂しがり屋なので
苦労しただろう。
誰にも相手されない中で
一生居ろと、ここで死ぬのだと。
地球は暖かく
うさぎの少女に過ごしやすい環境である。
白雲峠の奴らは
少し過保護だが、
優しくていい奴らだ。
"Good Midnight!"
うさぎの少女の思い出に、
いつかなってくれるのだろうか。
あの消えそうな三日月は。
私はいつから
時間を手放すように
なったんだ。
いくつあっても足りないほど
惜しいはずなのに、
1時間、また1時間と
時間が過ぎていく。
人生を無駄にしていく。
やらなきゃいけないこと。
やらなきゃ社会じゃ
生きていけないこと。
必要最低限のこと。
あと少し頑張ればいいだけのこと。
なのに私はなんで…。
時間さえも私を置いていく。
まずいって分かってる。
動かなきゃいけないのも、
このままここに居るだけじゃ
ダメなことも、
全部全部
わかってるのに。
あぁ。
動けないなぁ。
ずっとここに居たくて
ずっと寝ていたい。
起きたらまた夜中で
水を飲んだり
軽食を食べたり
お風呂に入ったりして
また寝たい。
こんなんだから
いつまで経っても
変われないし動けないんだろうなぁ。
わかっていても
逃げずにはいられない。
後悔を避けられない。
私はきっと、ずっと、
咲けない花だ。
"Good Midnight!"
逃げることは甘い蜜の味。
後悔は酸っぱい梅の味。
過ぎ去っていく中で
色とりどりの花が散る。
噂は風に乗ってやってくる。
だからくしゃみをする。
星は手が届かない。
だから流れてくる。
自分で勝手に決めたことを
毎日1つ唱えていく。
本当にそんな気がしてきて、
それが間違っていても
偶然合っていても
自分に少し知識を与えれる。
考え続けることが
頭を働かせる1つの方法だと
どこかで見てから、
朝はこの方法に限る。
でもやっぱり
頭は働いても
気分は上がらない。
仕事や学校、
世間も嫌な事ばかりだろう。
ずっとこうして生きていくのか
そう聞かれたら
私は迷わず
そうだと答えるだろう。
私は変化を好まない。
たとえ現状が最悪でも
後から遠目で見なけりゃ
最悪とわからないから。
今は今が1番いいと思ってしまう。
生き方を変えるということは
私には少し荷が重い。
ずっと我慢をして、
ずっと嫌な事から逃げて、
ずっと、ずっと…。
"Good Midnight!"
ずるい私の頭の上を
今日は一段と
冷たい雪が降る。
にゃあ〜っと
君は欠伸をする。
私も真似して
欠伸する。
起きたら半日終わってて、
やる気も元気も
半分無い。
君はいつも通り
どこへでも行って
どこでも寝転んだ。
放っておいた方が
君のためになると思ったんだ。
猫はツンデレってよく言うだろ?
私はもっと君といたかったけど
君はそんな素振り見せないから
私も私のやりたいことをやっていたんだ。
目を離した隙に
すぐ居なくなるくせに
私が暇になった頃現れて
私の隣で寝てくるの。
君はずるいなぁ。
頭を撫でながらいつも言っていた。
君は注意力が散漫していないから
いつも通り帰ってくるって
思ってたんだ。
トラックが君を轢いた。
君は血だらけだった。
欠伸をしていた君も、
隣で寝ていた君も、
全部この血まみれの君に
吸い込まれてしまった。
ぐだっとした身体には
生き物の重みというより
ただの重い物の重みがあった。
"Good Midnight!"
君ともっと一緒にいたかった。
君と忙しい時もいたかった。
君とどこかへ行きたかった。
君と…。
私は
君と一緒に
この夜を過ごして
朝を乗り越えたかったんだ。
大好きだったよ。
冬晴れは
空が綺麗で
空気が澄んでいる。
風は強くて冷たいが、
耐えれないほどでは無い。
しかし体調管理ができずに
頭を痛めて
吐き気まで催すとは。
目を瞑っても
寝っ転がっても辛い。
痛くて吐きそう。
何度もしかめっ面になり
毛布を被る。
せっかく晴れているのに。
"Good Midnight!"
夜になってしまえば
暗くて
晴れていても、
曇っていてもわからない。
それでももう少しだけ
晴れを感じていたい。