朝が早くて、
起きれなくて、
見れなかった初日の出。
別に新年の日の出だから
見たかったんじゃなくて、
ただ綺麗だから
それをただ見たかったんだ。
日が海に溶けるように沈むみたいに、
山からキノコが生えてくるように
昇ってくるのを見て、
あぁ、綺麗だなぁって。
今日が始まるなぁって、
感じたかっただけで。
でも私は夜更かしも大好きで
寝るのが遅いから
早起きは大の苦手で、
目覚ましでも起きれなくて。
この世にはあんなに
大きくて輝くものが
毎日見れるのに、
睡眠に負けて見れない自分が
少しだけ愚か。
もうてっぺんまで昇ってしまった太陽は
後は沈むことしかないけれど、
私はきっとまた
夜更かしもするし、
早起きを頑張って
日の出を見ると思う。
"Good Midnight!"
好きなことと綺麗なもの。
どっちも見ていたくて
どっちも捨てられない。
皆様が今年の抱負を掲げる頃には
私はもうここにいません。
本を読んだんです、
子どもの時に。
その本では
色の表現がよく出てきて、
情景は田舎の坂や海がメイン。
どこにでもありそうな
ただのひと夏の物語でした。
しかし誰かの心に
とんっ、と
触れるような本でした。
近くて遠いとはこの事です。
何をしていても
その本のことが忘れられなくて、
いつしかその本に出てきた場所に
行きたいと思うようになったんです。
自分もこんな物語を紡ぎたいとか
こんな夏を過ごしたいとか
そんなのじゃなくて、
主人公のように沢山の色を見て、
坂や海を見て、絵を描いて。
本の通りじゃなくていい、
このリアルで
出来ることでいい、
出来そうなことでいい。
私は本の舞台になったその場所で
私に合った、
私の物語が紡ぎたくなったんです。
プチひとり旅行だと思って
暖かく見守っていてください。
そのうち帰ります。
"Good Midnight!"
リビングに置かれていた
置き手紙。
1人の人生に登場して
少しだけ人生を変えてしまう、
そんな本に出会えることは
どんなに幸せなことだろう。
新年は
ぬるっと始まって
実感がわかない。
西暦も書き慣れず、
年を越すことにも慣れない。
新しい年の始まりは
意外にも、
準備した時間よりも、
短く始まりすぐ終わる。
午前2時。
空は暗闇に包まれて
いつもと変わらない。
これでも、年を越した最初の夜。
腑に落ちることすら
当たり前になってきた。
あー、書けない。
紙をくしゃくしゃと丸める。
新年だから
特別な何かを書きたいと思ったのに、
眠くて頭から出てくる言葉、
ペンで書く言葉は
全部同じようなことの繰り返しで、
自分で読んでいて飽き飽きする。
面白味がないつまらない物語。
まるで味気のない私の人生みたい。
スランプに陥りかけている私は
ふぅーっとため息をひとつ。
"Good Midnight!"
どうしても夜遅くに書いてしまう癖。
眠いのだから頭が回らず
文など考えられないのに
この時間に書きたいと思うのは、
きっと夜更かしと真夜中が
大好きだから。
今日は大晦日。
嫌いな人も
死ぬほど転けて欲しいと思う人も
みんな口を揃えて
良いお年を!という
1年の終わりの日。
寝て起きたら年を越してたなんて
よくあること。
猫又もその一匹。
またある者は天使とも悪魔とも
しっくり来ることはなく、
ある者はフクロウに似ていて
夜中まで店を営業、
ある者は狐に似ていて
白雲峠に入り浸っていた。
それぞれの者たちが
それぞれのことをしながら
それぞれの形で年を越す。
一見普通とも言える平々凡々な文だが、
とてつもない平和が隠れている。
誰しも平和には気づけなくなるもの。
私もまたその1人と言えよう。
今年が終わり、
また新たな者に焦点を当ててみるかは
その日の気分次第。
ここでの今年もありがとうございましたは
"Good Midnight!"
にでも置き換えようか。
さようなら、2025年の巳年。
今年最後を四字熟語で表すと
睡眠万歳!
はい、寝ましょう。
光る海を
手漕ぎボートで移動する。
水面に映る星屑は
漕ぐ度に揺れて流れていく。
真っ黒な水が、
静かな辺りが、
ギコ…ギコ…と
漕ぐ音に集中させる。
月明かりだけが
私と一緒に
真夜中を過ごしてくれる。
腕が疲れてきたら
サンドイッチを食べたり、
本を読んだりする。
たまに昼寝して
流れに任せてみたり。
でも結局朝になっても
現在地がわからないまま。
真夜中に光るだけ。
冬だから
空気は寒くて冷たい。
ブランケットは
常に膝にかけておかないと。
雪は降らないけど、
雨も降らない。
瓶で海水を掬うと
星もキラキラと
瓶に入っていくみたいで
いつかの夏を思い出す。
遠い記憶の中、
サンドイッチの味と
星の光だけが忘れられなかった。
ここにあるのに
そこに無いような。
星はよく落ちてくる。
流れるんじゃなくて
落っこちてくる。
空に仲間外れにされて
泣きながら海に。
適当に瓶で掬っているように見えて
実は星を集めてた。
"Good Midnight!"
たくさんの
居場所を失った星に包まれて
今夜はゆっくり
夜に溺れていく。